中国工場から送金口座変更の連絡が来たら|支払う前に行う本人確認
中国工場へ残金を送金する直前に、「銀行口座が変わりました。今回はこの口座へ送ってください」と連絡が来ることがあります。本当に工場側の事情で口座変更する場合もありますが、海外取引では非常に慎重に確認すべき場面です。
まず、メールだけで口座変更を確定しないことです。取引先担当者のメールアカウントが第三者に不正利用され、偽の銀行口座を案内されるタイプの詐欺も考えられます。特に送金直前の変更、別国の口座、個人名義口座など、従来と大きく異なる指示があれば確認を強化します。
基本は、過去から使用している電話番号やWeChatなど、口座変更通知とは別の通信手段で担当者本人へ確認することです。可能なら経理担当者や責任者にも確認します。「メールを送りましたか」だけではなく、銀行名、口座名義、口座番号の一部など具体的な情報を照合します。
次に契約相手と口座名義を確認します。中国工場A社との契約なのに香港B社へ支払う場合、その関係と支払い理由を説明してもらいます。グループ会社や輸出会社を利用する正常な取引もありますが、契約書、Invoice、送金先がどのような関係になっているか書面で残します。
初回取引でも同じです。会社名、銀行口座名義、InvoiceのSellerを確認し、担当者個人の口座へ安易に送金しません。正式な貿易代金として、後から取引内容を説明できる資料を保存します。
送金通貨も確認します。米ドル、人民元、日本円など、見積通貨と請求通貨が異なる場合は換算方法を確認します。着手金と残金の支払時期が数か月離れるOEMでは、為替変動によって円換算原価が変わるため、社内原価にも余裕を持たせます。
また、送金手数料や中継銀行手数料によって工場への着金額が不足することがあります。誰が手数料を負担するかを事前に決めてください。
中国のクロスボーダー決済・外貨管理について個別の手続が必要な場合は、中国側取引銀行や国家外匯管理局等の最新情報を確認します。特殊な方法を工場から指定された場合は、理由を理解せず送金しないことが大切です。
送金はボタンを押した後に取り戻すことが難しい場合があります。そのため「送金前の5分間の確認」が非常に重要です。金額が大きいほど、契約相手、口座名義、銀行情報、変更連絡の真正性を複数の方法で確認してから実行することをおすすめします。