着手金30%・残金70%は絶対ルールではない|中国工場の支払条件を決める考え方
中国工場との商談で「30%前金、70%出荷前」という支払条件を提示されることがあります。よく見かける条件の一つですが、すべての商品・工場で必ずこの割合になるという制度ではありません。実際の支払条件は商品、金額、工場との関係、製造に必要な材料などによって協議します。
工場側が着手金を求める理由は、材料購入や生産枠確保などに資金が必要だからです。特注品では、発注者専用の商品を作った後にキャンセルされると他社へ販売できないため、工場側も一定のリスクを負っています。
一方、買手側から見れば、100%前払いすると商品完成前にほぼすべての交渉材料を失うことになります。特に初回取引では、可能であれば着手金と残金を分け、残金支払い前に完成状態を確認する工程を協議します。
重要なのは割合そのものより「残金を何を確認した後に払うか」です。単に工場から「完成しました」と連絡を受けたら支払うのか、完成写真を確認するのか、第三者検品を行うのかを決めます。
OEMでは金型費が別途必要になることがあります。金型費を全額先払いし、製品代は別の支払条件とするケースもあります。この場合、金型の所有権、保管期間、他社への使用可否も契約で確認します。
継続取引で実績ができれば、条件を再交渉できる可能性もあります。発注量や年間取引額が増えれば、支払時期について工場と相談します。ただし相手に一方的に長い支払サイトを要求すると、価格へ反映されることもあるため、総合的に判断します。
送金時には契約会社、InvoiceのSeller、銀行口座名義を照合します。別会社や香港口座などへ支払う場合には関係を確認します。銀行情報の変更があった場合は、メールだけでなく別経路で担当者本人へ確認します。
通貨についても米ドル、人民元など条件を確認します。着手金と残金の間に数か月あれば為替が動き、日本円での最終原価が変わります。販売価格を決める際には一定の変動余地を考慮します。
支払条件は「工場を信用するか、しないか」という問題だけではありません。工場が材料を購入でき、買手が完成品質を確認できるよう、双方のリスクを分担する仕組みです。初回取引ほど、着手金、検品、残金、出荷の順序を明確にしてから発注することをおすすめします。