中国工場の検品はいつ行うべきか―量産前・生産中・出荷前の品質管理
中国工場の品質管理で大切なのは「最後に検品すれば大丈夫」と考えないことです。完成後に仕様違いが判明した場合、100個、500個と全数が完成していれば修正コストが大きくなります。特にオーダー家具、店舗什器、金属加工品などは、製造途中なら修正できても完成後では作り直しになることがあります。
品質管理は量産前から始まります。最初に仕様書と承認サンプルを確定し、寸法、材質、色、表面仕上げ、機能、梱包などの合格基準を決めます。「きれいに作る」「日本品質で」という表現では基準になりません。寸法公差、傷の許容範囲、色見本など、商品に応じて確認可能な基準を設定します。
量産初期には、最初に完成した数個を写真や動画で確認する方法があります。新規OEMでは、この段階でロゴ位置、穴位置、金具、色などを確認すると、全数完成後の手直しを防ぎやすくなります。大型案件では第三者検品会社や現地担当者による中間検品も検討します。
出荷前検品では、数量、外観、寸法、機能、梱包、ラベルなどを確認します。全数検品が必要なのか、抜取検品でよいのかは商品の価格、数量、品質リスクによって判断します。高額な特注家具を数台作る場合と、低単価商品を数万個作る場合では適切な検品方法は異なります。
不良が見つかった場合は「不良率5%」という数字だけで判断せず、不良内容を分類します。使用不能になる重大不良と、小さな外観傷では影響が違います。写真、動画、商品番号を記録し、工場へ修正可能か、再製造が必要か、納期への影響はどの程度かを確認します。
梱包も品質管理の一部です。工場では正常だった商品が日本到着時に破損していれば、結果として販売できません。角当て、発泡材、木枠、カートン強度、防湿対策などを商品特性に合わせて決めます。特にガラス、石材、塗装家具などは輸送中の振動や積み重ねを想定する必要があります。
日本到着後に不良が見つかった場合に備え、予備部品を同梱する方法も有効です。専用金具やネジ、キャスターなど、小さく安価でも中国から再送すると時間がかかる部品は、最初から一定数量を予備として用意すると現場対応が早くなります。
品質管理は工場を疑うための作業ではありません。工場と買主が同じ合格基準を共有するための作業です。基準を明確にし、量産途中で確認し、出荷前に最終確認する。この仕組みが継続取引の品質を安定させます。