検品報告書は写真の枚数より「どの仕様と比較したか」が重要
中国工場の出荷前検品を依頼すると、数十枚、場合によっては数百枚の写真が入った検品報告書が届くことがあります。写真が多いと安心感がありますが、品質管理で本当に重要なのは写真の枚数ではありません。「何を基準に、何を確認し、その結果どうだったか」が分かることです。
検品前にまず最新版の仕様書を検品担当者へ渡します。図面番号、材質、色、寸法、部品、梱包などを明確にし、承認サンプルがある場合はその情報も共有します。
例えばラックの高さが1100mmという仕様なら、測定写真にはメジャーを当てた状態と測定値を残します。「サイズOK」というコメントだけより、後から確認できます。色についても単に写真を撮るだけでなく、指定色や承認サンプルと比較します。
機能検査も具体化します。引き出しなら開閉、キャスターなら回転とロック、組立商品なら実際の組立、店舗什器なら必要に応じて荷重をかけるなど、使用方法に合わせます。
数量については注文総数だけでなく、色・型番別に確認します。付属ネジ、工具、説明書などが別梱包の場合は不足がないか確認します。
不良が見つかった場合、写真に番号を付け、不良の種類と数量を整理します。「傷あり」だけでなく、どの位置にどの程度の傷があるかを記録します。そして修正後の再検品で同じ番号を追跡できるようにします。
梱包も重要な検品項目です。商品の品質が良くても輸送中に破損すれば意味がありません。内装、角保護、外箱、箱番号、ラベル、木枠などを確認します。完成品だけを撮影し、梱包前に検品を終了しないようにします。
第三者検品会社を利用する場合には、何個を検査するか、どの基準で合否判定するかを事前に確認します。工場自身が検品する場合でも同じチェックリストを使用すると比較しやすくなります。
検品報告書は問題がなかったことを証明する写真集ではなく、発注仕様と量産品を比較した記録です。案件終了後も仕様書、発注書、検品報告書をセットで保存しておけば、次回生産時の品質基準として利用できます。
品質管理を安定させるには、「検品してください」ではなく「この仕様書のこの項目を、この方法で確認してください」と指示することが重要です。検品の質は検品担当者だけでなく、発注者がどれだけ明確な基準を用意したかによって大きく変わります。