出荷前検品で不良が見つかったらどうする―再検品までの実務手順

中国工場の出荷前検品で不良が見つかったとき、最初に行うべきことは『全部作り直してください』と要求することではありません。まず、何がどの程度問題なのかを整理し、出荷可否を判断できる情報を集めます。

検品結果では、不良内容を種類別に分けます。寸法違い、色違い、傷、汚れ、機能不良、部品不足、梱包不良などを分け、写真と商品番号を記録します。そして検査数量のうち何個に発生したのかを確認します。一つのサンプルだけの問題なのか、生産ロット全体の問題なのかで対応が変わります。

次に、量産前に合意した仕様書や承認サンプルと比較します。『少し色が違う』という感覚的な議論ではなく、承認した色見本と違うのか、図面寸法の許容範囲を超えているのかを確認します。品質基準を量産前に明文化しておく意味がここにあります。

修正可能な不良であれば、工場から修正方法と必要日数を提示してもらいます。塗装の補修、部品交換、再梱包などで対応できる場合もあれば、再製造が必要な場合もあります。修正前と修正後の写真を残し、重要案件では再検品を行います。

納期が迫っている場合でも、検品不合格の商品をそのまま出荷するかどうかは慎重に判断します。『日本で直せばよい』と考えて出荷すると、日本の人件費や部材調達費の方が高くなることがあります。反対に、小さな外観傷のため全数再製造すると納期とコストへの影響が大きすぎる場合もあります。商品の用途とお客様の品質要求を基準に判断します。

船積みスケジュールも同時に確認します。修正に5日必要なら、予定船の搬入締切に間に合うかフォワーダーへ確認します。間に合わなければ次便へ変更するのか、一部良品だけ先に出荷するのかを決めます。

再発防止も重要です。不良が見つかった商品だけを直して終わりにせず、原因を確認します。図面の読み違い、材料ロット、作業員の工程ミス、検査不足など原因によって次回の対策が変わります。

また、金具やネジなど小さな部品は予備を一定数量同梱してもらう方法も有効です。日本到着後に1個不足しただけで、中国から国際宅配で送るのは時間も費用もかかります。

検品の目的は工場のミスを探して責任を追及することではありません。問題を日本へ持ち込む前に発見し、最も費用の低い場所で修正することです。承認基準、検品、修正、再検品までを一つの品質管理工程として設計することが重要です。