出荷前検品は「不良を数える作業」ではなく量産仕様を確認する工程

中国工場で出荷前検品を行う目的は、不良品の数を数えることだけではありません。発注した仕様の商品が量産され、予定した状態で日本へ出荷できるかを確認する工程です。そのため検品会社へ「品質を見てください」と依頼するだけでは十分ではありません。

まず量産前に検品基準を作ります。承認サンプル、図面、仕様書を基準として、寸法、材質、色、外観、機能、付属品、数量、梱包などの確認項目を決めます。「傷がないこと」「きれいであること」のような抽象的な表現だけでは、人によって判断が変わります。

家具や店舗什器の場合、幅・高さ・奥行き、板厚、金属部材、塗装、溶接、ぐらつき、金具、キャスター、棚位置などを確認します。組立式なら、必要なネジや部品がすべて入っているか、実際に組み立てられるかも重要です。

検品のタイミングも考えます。初めて取引する工場や新商品では、量産完了後だけでなく、生産途中に中間確認を行う方法があります。材料や色が間違っていれば、1000個完成してから発見するより、最初の数十個で発見した方が修正しやすいからです。

出荷前検品を行う場合は、検品日に十分な数量が完成しているか確認します。まだ生産途中の商品が多い状態では、全体品質を判断しにくくなります。工場へ完成率と梱包率を確認してから検品日を確定します。

不良が見つかった場合は、写真、数量、箱番号、不良内容を記録します。そして工場へ修正方法と完了予定日を確認します。重要な不良であれば、修正後に再検品を行います。「全部直しました」という連絡だけで出荷許可を出さず、証拠を確認します。

日本到着後に不良が発見された場合も、開梱時の写真を残します。外箱が潰れているのか、商品内部だけが壊れているのかによって、製造時の問題か輸送中の損傷かを判断する材料になります。

不良対応には再製作、交換部品の発送、現地補修、次回発注時の無償追加など複数の方法があります。大型家具を中国へ返送することが現実的でない場合もあるため、商品に合った解決方法を工場と協議します。

品質管理の基本は、検品担当者の経験だけに頼らないことです。何を合格とするかを発注者側が定義し、その基準を工場と検品担当者が共有することで、初めて検品が有効に機能します。