中国OEMで量産後の仕様違いを防ぐ「承認仕様」の作り方
中国工場へOEM・ODM・オーダー生産を依頼するとき、最も重要なのは「工場に希望を伝えた」ことではなく、「量産時に何を基準として作るかを双方で確定した」ことです。参考写真を送り「これと同じように作ってください」と依頼するだけでは、寸法、材料、色、内部構造などについて工場側が独自に判断する余地が残ります。
最初に仕様書を作ります。商品名、型番、外形寸法、材質、厚さ、重量、色、表面処理、使用部品、ロゴ、包装、ラベル、付属品などを整理します。家具や店舗什器なら板厚、鋼材サイズ、溶接方法、塗装、棚位置、キャスター、金物、組立方式なども確認します。
図面がない案件では、工場へ製作用図面を作成してもらい、日本側が確認してから試作へ進みます。AIで作った商品イメージや写真を基に製造する場合、画像上では成立していても実際には強度や加工方法に問題がある場合があります。工場の技術担当者から構造提案を受けることが必要です。
試作品が完成したら承認サンプルとして管理します。量産品の基準を「チャットで送った写真」ではなく、承認図面、仕様書、承認サンプルの組み合わせにします。色についても画面上の色だけでは判断せず、色番号や現物見本を使う方法があります。
量産前には、数量、単価、MOQ、試作費、金型費、梱包費、納期、検品条件を確定します。納期については「前金入金後30日」なのか「最終仕様承認後30日」なのかを明確にします。
量産開始後に仕様変更をする場合は注意が必要です。WeChatなどで一部分だけ変更すると、営業担当者から製造現場へ正確に伝わらないことがあります。変更番号を付けた最新版仕様書を作り、旧版を使用しないよう確認します。追加費用や納期への影響も同時に確認してください。
量産完成後は承認仕様に基づいて検品します。「きれいに作ってください」では検品基準になりません。寸法、公差、外観、機能、数量、梱包状態など、確認できる項目へ落とし込みます。
OEMで重要なのは工場の技術力だけではありません。日本側が仕様を管理する力も品質に直結します。仕様書、図面、サンプル、変更履歴、検品基準を一つの案件資料として管理すると、追加生産や担当者変更があっても同じ品質を再現しやすくなります。