香港を使った中国仕入れを検討するときの基本―商流と物流を混同しない
中国工場の商品を香港企業が販売し、貨物は中国から日本へ直接送るなど、国際取引では契約・代金と商品の流れが異なる場合があります。香港を利用した中国仕入れを検討する際に、売主、輸出者、輸入者、物流、決済をどう整理するか説明します。
中国との貿易で香港を利用する取引を検討するとき、最初に理解しておきたいのが「商流」と「物流」は必ずしも同じではないということです。HONG KONG JCBO LIMITEDでは、香港を含む国際取引について、会社を間に入れること自体を目的にせず、実際の契約、商品、代金の流れを整理するところから考えます。
■ 商品が香港を通るとは限らない
例えば中国本土の工場で商品を製造し、香港企業が日本企業へ販売する取引を考えます。契約上の売主が香港企業であっても、商品を一度香港へ運んでから日本へ送る必要があるとは限りません。取引内容によっては中国本土から日本へ直接輸送する形が考えられます。
この場合、商品の流れは「中国→日本」ですが、契約や代金の流れには香港企業が入ります。したがって、物流だけを見ても取引全体は理解できません。
■ 誰が何をする会社なのかを明確にする
取引を組み立てる際には、中国工場、販売会社、日本の買主など、それぞれの役割を明確にします。誰が工場へ発注するのか、誰が品質を確認するのか、誰が輸出手配を行うのか、日本では誰が輸入者になるのかを整理します。
またCommercial Invoiceなどの取引書類についても、実際の売買関係と整合するように準備する必要があります。輸出入申告や税務上の取扱いについて判断が必要な場合には、通関業者、税理士等の専門家へ取引スキームを正確に説明して確認します。
■ 香港を入れれば自動的に有利になるわけではない
香港会社を利用すればすべての国際取引が簡単になる、税務上必ず有利になるというものではありません。取引先、銀行、契約、会計、税務、実際の事業管理などを含めて判断する必要があります。
中国工場から日本企業が直接購入した方がシンプルな案件もあれば、海外で複数の仕入先や販売先を管理する事業で香港拠点を検討するケースもあります。目的によって適切な形は異なります。
■ 代金の流れを事前に確認する
国際取引では、どの会社がどの通貨で請求し、どの銀行口座へ支払うのかを確認します。契約相手と送金先名義が異なる場合には、その理由を確認し、必要な取引資料を整理します。
また送金先口座が突然変更された場合には、メールやチャットだけで判断せず、既知の連絡先を使って相手企業へ確認するなど、送金事故を防ぐ対応が重要です。
■ まず一枚の図にしてみる
複雑な国際取引ほど、「中国工場→香港会社→日本企業」という会社関係と、「中国港→日本港」という商品の流れ、さらに銀行送金の流れを別々の矢印で図にすると理解しやすくなります。
当社では中国・香港・日本を含む取引について、まず実際の商流、物流、決済を整理します。そのうえで通関、税務、会計、法人制度など専門家の確認が必要な部分を切り分けます。香港を使うべきかどうかがまだ決まっていない段階でも、予定している商品、仕入先、販売先、取引方法をお知らせいただければ、実務上どのような確認が必要かを整理するところからご相談いただけます。