中国貿易の相談を早く具体化するために―最初に教えてほしい10項目

中国から商品を仕入れたい、オリジナル商品を作りたいという相談で、最初に参考写真だけを見せていただき「中国で作ればいくらですか」と聞かれることがあります。概算の方向性を考えることはできますが、実際に発注できる見積を作るには、いくつかの条件を整理する必要があります。

第一は商品内容です。中国の既製品を購入するのか、既製品へロゴを付けるのか、寸法や材料を変更するのか、完全なオーダー生産なのかを確認します。参考写真、URL、図面、現物サンプルがあれば工場探しが早くなります。

第二は数量です。「できるだけ安く」ではなく、初回100個、年間500個など具体的な数字が必要です。OEMでは数量によって材料調達方法、印刷方法、金型費、単価が変わります。

第三は寸法、第四は材質、第五は色や仕上げです。家具なら幅、高さ、奥行き、木材や金属の種類、塗装方法などを確認します。分からない部分については工場から提案を受けても構いませんが、量産前には最終仕様を決めます。

第六は希望納期です。「なるべく早く」では工程を組めません。日本でいつ必要なのかを教えていただければ、日本国内配送、輸入通関、国際輸送、中国輸出、検品、生産を逆算できます。店舗開業、展示会、工事引渡しなど動かせない日付がある場合は最初に伝えてください。

第七は日本側の納品場所です。東京港までなのか、東京都内の倉庫なのか、北海道や九州の現場なのかで費用が変わります。大型商品では車両や搬入口の条件も必要です。

第八は目標予算です。予算が分かれば、材料、表面処理、構造、梱包などどこを変更すれば目標価格へ近づけられるか工場と相談できます。

第九は品質基準です。同じラックでも倉庫で使うものと高級ブランド店舗で使うものでは求める外観品質が異なります。既存商品や基準サンプルがあれば非常に参考になります。

第十は日本での輸入・販売条件です。特殊な商品では、輸入規制、他法令、必要な証明書、表示などを工場選定前に確認する場合があります。

もちろん相談時点ですべて決まっている必要はありません。分からない部分を整理し、工場へ質問できる仕様へ変えることも貿易会社の仕事です。ただし最低限「何を」「何個」「いつまでに」「日本のどこへ」という情報があれば、工場探索と物流見積を具体的に開始できます。

中国貿易では発注を急ぐことが最短ルートとは限りません。最初の30分で条件を整理することで、その後の工場との何十回もの確認を減らせることがあります。見積の精度を上げる一番の方法は、最初に案件のゴールを具体的にすることです。