初めて中国へ発注する前に作っておきたい「1枚の商品依頼書」
初めて中国から商品を仕入れたいというご相談を受けると、『この写真の商品を中国で安く作れますか』というところから始まることがよくあります。もちろん写真一枚から工場を探し始めることはできます。しかし、正確な見積を取り、実際の発注へ進めるためには、最低限の条件を整理した商品依頼書があると非常にスムーズです。
難しい書類を作る必要はありません。最初はA4一枚でも構いません。まず商品写真や参考画像を載せ、希望する幅、高さ、奥行きなどの寸法を書きます。材質が分かれば記載し、分からなければ『屋内店舗で3年以上使用予定』『衣類を掛けるため耐荷重が必要』など用途を書いてください。工場が材料を提案しやすくなります。
次に数量です。『価格を見て決める』だけでは工場も見積を出しにくいため、まず100台、年間500台程度など想定数量を伝えます。OEMでは数量によって材料購入、生産方法、金型や治具の必要性が変わります。
希望納期も重要です。『なるべく早く』ではなく、日本で必要となる日を伝えます。例えば12月1日に東京の店舗で使用開始なら、そこから日本国内配送、輸入通関、海上輸送、中国国内輸送、検品、量産、試作を逆算できます。工場の生産日数だけを納期として考えないことが重要です。
納品先も早めに伝えてください。東京の物流倉庫なのか、店舗への直接納品なのかで日本国内物流費が変わります。大型商品では搬入口やエレベーター寸法が商品設計に影響する場合もあります。
品質については、絶対に守りたい条件を整理します。寸法、色、材質、強度、外観などすべてを最初から完璧に決める必要はありませんが、『ここだけは変更不可』という部分を明確にすると工場選定が容易になります。
新しい商材では、日本への輸入規制、HSコード、関税についても量産前に確認します。工場から中国側HSコードを取得し、日本側では商品資料を通関業者へ渡します。分類が難しい商品では税関の事前教示制度を利用する選択肢もあります。
そして工場価格だけでなく、中国国内物流、国際輸送、通関関連費用、関税・輸入時税金、日本国内配送まで含めた着地原価を計算します。中国で安く買えても、日本の指定場所へ届けるまで高額になれば事業として成立しません。
私たちが初回相談で知りたいのは、完璧な専門知識ではありません。『何を、何個、いつまでに、どこで、どのように使いたいか』です。この情報が整理されていれば、工場、物流会社、通関業者へ具体的な確認ができます。初めての中国輸入ほど、発注を急ぐより最初の一枚を丁寧に作ることをおすすめします。