香港会社を使うべきかを商流から考える―中国・日本・海外を結ぶ取引設計
香港会社を作ること自体を目的にせず、日本、中国、香港、その他の国の間で商品と代金がどのように動くのかを整理し、実際の事業に香港を利用する必要があるかを検討します。売主・買主、契約通貨、送金、物流、管理コストを確認し、国際取引の商流を具体化する支援です。
海外ビジネスの相談で「香港会社を使った方がよいでしょうか」という質問を受けることがあります。しかし、香港会社を設立したり取引へ入れたりすること自体が海外進出の目的ではありません。最初に考えるべきなのは、誰から商品を買い、誰へ販売し、商品と代金がどの国をどのように動くのかという実際の商流です。
HONG KONG JCBO LIMITEDでは、中国・香港との貿易実務に携わってきた経験を基に、海外取引を具体的な業務フローへ整理する支援を行っています。
例えば中国工場から商品を購入し、そのまま日本へ輸入して日本国内で販売する事業であれば、日本企業が直接中国工場と契約する方法があります。この場合、必ずしも香港会社を商流へ入れる必要はありません。
一方、中国で調達した商品を日本以外の国へ販売する、中国と複数国の取引を管理する、海外顧客との契約主体を検討するといった事業では、香港を含めた国際的な商流を検討する場面があります。ただし、実際に適切かどうかは個々の事業内容によって異なります。
商流を検討するときは、まず売主と買主を明確にします。中国工場と誰が契約するのか、顧客へ誰が請求書を発行するのか、商品代金をどの会社が受け取るのかを整理します。次に物流を確認します。契約上は香港会社が商品を販売していても、現物は中国から日本へ直接輸送するという取引も考えられるため、契約と物流を別々に図示すると分かりやすくなります。
決済については、契約通貨、銀行口座、前金・残金、送金手数料、為替変動などを確認します。特に契約会社と代金受取口座が異なる場合は、その関係を明確にします。取引途中で突然口座変更の連絡があった場合には、既存の連絡手段を使って確認するなど、基本的な送金管理も必要です。
さらに、会社を一社増やせば契約、会計、銀行、会社維持などの管理業務も増えます。「香港会社を入れれば何となく国際取引が便利になる」という理由だけで判断せず、実際に必要となる管理コストと事業上の目的を比較します。
税務や会社法については、国や取引形態によって専門的な判断が必要です。当社では貿易実務として商流、商品、契約、物流、決済を整理し、税務・法務上の判断が必要な事項を明確にした上で、必要に応じて各分野の専門家へ確認するという進め方を重視しています。根拠なく税務上有利になるといった案内は行いません。
海外進出を考える際には、最初から大きな仕組みを作る必要はありません。まず予定している一件の取引を図にして、「中国工場→輸出→日本または第三国→顧客」という商品の流れと、「顧客→販売会社→仕入先」という代金の流れを整理します。そこから必要な会社、契約、銀行、物流の仕組みを検討します。
中国・香港を利用した海外取引をご相談いただく際は、対象商品、仕入国、販売国、予定顧客、想定する取引金額や頻度など、現在分かっている内容をご提示ください。実際の商流を整理するところから検討します。