海外取引で代金を支払う前に確認したいこと―契約相手・口座名義・支払条件の整理
中国・香港など海外企業へ商品代金を送金する前に、契約相手、請求書、受取銀行口座名義、通貨、前金・残金の支払時期を整理します。海外送金そのものではなく、誰に何の代金を支払うのかを取引書類と一致させ、国際取引の決済管理を明確にするための実務支援です。
中国や香港の企業と初めて取引するとき、商品や価格の確認と同じくらい重要なのが代金の支払方法です。海外送金では、一度送金した資金を簡単に取り戻せるとは限らないため、送金操作を行う前に取引関係を整理することが重要です。
HONG KONG JCBO LIMITEDでは、海外取引の決済について、特定の送金方法を一律に勧めるのではなく、売買契約、請求書、銀行口座、商品、物流を一つの取引として確認することを重視しています。
最初に確認するのは契約相手です。見積書を発行した会社、売買契約の相手、Commercial Invoiceを発行する会社、代金の受取人がどの会社なのかを確認します。中国工場と商談しているにもかかわらず、支払先だけ別会社になっている場合には、その関係と理由を確認します。
次に銀行口座名義を確認します。会社間取引であれば、請求書上の会社と受取口座との関係を確認します。担当者個人の口座や、説明のない第三者口座への送金を求められた場合には、その理由を十分確認してから判断する必要があります。
特に注意したいのが、取引途中での振込先変更です。電子メール等で「銀行口座が変わったので次回からこちらへ送金してください」と連絡が来た場合、メールだけで判断せず、従来使用している別の連絡手段で取引先本人へ確認するなどの手順を決めておくことが重要です。
支払条件についても整理します。OEMでは前金を支払って材料調達や生産を開始し、完成後に残金を支払う条件が提示されることがあります。この場合、残金支払の条件を「完成後」だけにせず、検品との関係を確認します。検品を予定しているのであれば、いつ検品し、いつ残金を支払い、いつ出荷するのかを事前に整理します。
契約通貨も原価管理に影響します。USD建て、人民元建てなど、どの通貨で価格が提示されているのかを確認し、見積取得から実際の支払まで期間がある場合には為替変動も考慮します。見積時の日本円換算額だけを固定原価と考えないことが重要です。
また、銀行や決済サービスごとに必要な情報、審査、手数料等が異なる場合があります。実際に利用する金融機関の最新条件を確認し、余裕を持って支払準備を進めます。大型連休前など工場が着金確認を急ぐ時期ほど、送金先確認を省略しないことが大切です。
海外決済は貿易取引の一工程です。商品仕様、契約、代金、輸送を別々に扱うのではなく、「誰から何を買い、誰へいくら払い、誰が商品を輸出するのか」という関係を明確にします。
当社では中国・香港を含む国際取引について、見積、契約、インボイス、支払条件、商流を整理し、送金前に確認しておくべき事項を明確にする支援を行います。税務、金融規制等について専門的判断が必要な場合は、関係する金融機関や専門家への確認事項を分けて整理します。