香港・海外進出

香港法人を作る前に考えたいこと―海外取引の「会社・商品・お金」の流れを整理する

香港を利用した海外取引を検討する場合、法人設立そのものを目的にするのではなく、誰が誰へ販売し、商品がどこからどこへ動き、代金をどの会社が受け取るのかを先に整理することが重要です。貿易実務の視点から海外事業の組み立て方を説明します。

香港や海外で事業を始めたいというご相談では、最初に「会社をどう作るか」という話になりがちです。しかしHONG KONG JCBO LIMITEDでは、その前に「その海外会社を使って何をするのか」を整理することが重要だと考えています。

■ 会社の流れ、商品の流れ、お金の流れを分けて考える

国際取引を整理するときは、まず三つの流れを考えます。一つ目は契約関係です。誰が仕入れ、誰が販売するのか。二つ目は商品の流れです。中国工場から日本へ直接送るのか、別の国を経由するのか。三つ目は代金の流れです。日本企業がどの会社へ支払い、どの会社が工場へ支払うのかを確認します。

例えば香港会社が中国工場から商品を購入して日本企業へ販売し、商品そのものは中国から日本へ直接輸送するという取引も考えられます。この場合、契約の流れと商品の物理的な流れは一致しません。インボイス、物流、輸出入申告、会計処理などをそれぞれの実態に合わせて整理する必要があります。

■ 香港法人が必要なのかを事業目的から考える

中国から商品を一度輸入するだけであれば、必ずしも香港法人が必要とは限りません。逆に複数の国・地域との取引、海外顧客への販売、継続的な国際ビジネスなど、事業内容によって海外法人を検討する理由は異なります。

「海外法人を作れば税金が安くなる」「海外口座が簡単に作れる」といった一般論だけで判断することは適切ではありません。法人設立、銀行口座、会計、税務、ライセンスなどは、所在地、事業内容、取引先、実質的な管理状況などによって確認事項が異なります。専門判断が必要な部分については現地の会計・税務・法律等の専門家へ確認することが重要です。

■ 海外送金では取引資料を整理する

国際取引では、契約書、注文書、Commercial Invoiceなどを取引内容と一致させます。送金先の会社名や銀行口座についても事前確認が必要です。取引途中で口座変更の連絡があった場合には、メールだけを信用せず、既知の連絡方法を利用して取引先へ確認します。

■ 小さな取引から事業性を確認する方法もある

海外進出というと、最初から法人、事務所、スタッフを用意するイメージがありますが、事業によってはサンプル取引、小ロット輸出入、代理店候補との商談などから市場性を確認できます。取引が増えてから必要な体制を構築する方法も選択肢です。

当社では法人設立手続だけを切り離して考えるのではなく、中国・香港・日本を含む実際の商流を確認し、貿易実務の面から必要事項を整理します。ご相談時には、対象国、商品、予定する仕入先・販売先、年間のおおよその取引方法などをお聞かせください。まだ構想段階であっても、「誰が売るか」「商品はどこを動くか」「誰が代金を受け取るか」を整理することで、次に確認すべき専門分野が明確になります。