航空輸送・国際宅配を使う判断基準―サンプルと緊急貨物の送り方

中国から日本へ商品を送る方法は海上輸送だけではありません。サンプル、試作品、交換部品、少量の商品、納期が厳しい貨物では、航空貨物や国際宅配便が有効です。ただし「小さい荷物だから宅配便で送ればよい」と考える前に、商品の種類、重量、サイズ、価格、電池・液体等の有無を確認する必要があります。

OEM案件では、量産前のサンプルを航空便で送ることがよくあります。ここで重要なのは、工場に「サンプルを送ってください」とだけ依頼しないことです。発送前に商品の写真、数量、梱包後重量・寸法、インボイス記載品名、申告価格、追跡番号を確認しておくと、その後の管理が容易になります。無償サンプルでも税関申告上の価格情報が必要になることがあるため、工場任せにせず書類を確認します。

航空運賃では実重量だけでなく容積重量が料金計算に影響する場合があります。例えば軽量でも非常に大きな照明器具やクッション、家具部材は、重量の割に運賃が高くなることがあります。そのため見積には重量と梱包寸法の両方が必要です。

国際宅配は集荷から配送まで一体化されているため便利ですが、すべての商品を同じように発送できるわけではありません。リチウム電池、磁性物、液体、粉末、化学品などは輸送会社ごとの受託条件を確認します。「工場が以前送ったことがある」という説明だけで判断せず、今回利用する運送会社へ品名、成分、用途などを提示して確認してください。

量産品で一部だけ納期が遅れた場合、全部を航空輸送に切り替えると物流費が大幅に増えることがあります。その場合は、開業や工事に必要な最低数量だけ航空便で先行させ、残りを海上輸送する方法もあります。店舗什器ならオープンに必要な部品だけ先に送り、交換用部材を後便にするなど、貨物を分ける判断も有効です。

また、日本到着後には輸入申告が必要になる場合があり、品名や価格資料が不十分だと確認に時間がかかることがあります。税関は輸入貨物の課税価格について、原則として貨物価格に日本までの運賃や保険料等を加算して算出する考え方を示しています。

航空輸送は高いから使わない、宅配便は簡単だから何でも送る、という判断ではなく、「時間を買う輸送手段」として使い分けるのが実務的です。商品単価、物流費、必要日、欠品による損失を合わせて判断してください。