海上便に間に合わない商品を航空便へ切り替えるときの判断基準
中国工場の生産が遅れ、予定していた船に間に合わないとき、「全部航空便で送れば間に合いますか」と相談されることがあります。航空輸送は時間短縮に有効ですが、海上輸送から全量を切り替えると物流費が大きく増える可能性があります。そのため、まず日本で本当に必要な数量と日付を整理します。
例えば新店舗で100台の什器を使用する予定でも、開業日に100台すべてが必要とは限りません。開業に不可欠な20台だけを航空便で送り、残り80台を海上便で送る方法があります。機械設備なら、本体ではなく稼働に必要な部品だけを先行させることも考えられます。
判断する際は航空運賃だけでなく、梱包後重量と寸法を確認します。航空貨物は実重量と容積に基づく重量の関係で料金が決まるため、軽くても箱が大きい家具やクッション類は高額になる可能性があります。工場へ航空便用に梱包を小さくできないか相談する価値があります。
一方、海上輸送用の梱包をそのまま航空便に使えるとは限りません。航空会社やフォワーダーの受託条件を確認します。特にリチウム電池、液体、粉末、磁性物、化学品などを含む商品は、一般貨物と同じように送れるとは限りません。商品仕様や安全関連資料を物流会社へ提示し、受託可否を確認してください。
国際宅配を使う場合も同様です。サンプルや小型部品では非常に便利ですが、インボイスの商品名、数量、価格、用途などを正確に記載します。「Sample」「Parts」とだけ記載するのではなく、具体的な商品内容が分かるようにします。
分割輸送では書類管理にも注意します。100個の注文のうち20個を航空便、80個を海上便にするなら、それぞれのインボイス、パッキングリスト、出荷数量を整理します。工場側の請求数量と輸入数量が混乱しないよう、出荷履歴を一つの表で管理すると便利です。
また航空便で数日短縮できても、日本到着後の通関や国内配送が準備されていなければ意味がありません。到着予定日を通関業者へ伝え、必要資料を先に渡します。店舗への直接納品なら荷受け時間も確認します。
重要なのは、航空便を「工場が遅れたから仕方なく使う高い輸送手段」とだけ考えないことです。納期遅延による店舗休業や工事停止の損失と航空運賃を比較すれば、必要数量だけ航空便にする方が合理的な場合があります。
納期トラブルが発生したら、工場完成予定、航空便の所要時間、次の海上便、日本で必要な最低数量を並べて比較してください。全量を一つの輸送方法にする必要はありません。商品を分けて送ることも、中国貿易では重要な納期管理手段です。