量産サンプルだけ先に航空便で送る方法|本船出荷前の最終確認に使う
中国OEMでは、試作品を確認して量産を開始しても、実際の量産品が試作と完全に同じとは限りません。材料ロット、塗装、印刷、生産設備などが変わる可能性があるためです。そこで案件によって有効なのが、量産品の一部を海上輸送より先に航空便で日本へ送る方法です。
例えば500個を量産した場合、その中から数個を抜き取り、国際宅配便で日本へ送ります。日本側では外観、色、寸法、組立、機能、包装などを確認し、大きな問題がなければ残りを本船で出荷します。
この方法の利点は、写真では判断しにくい部分を実物で確認できることです。家具の木目や塗装、布地の質感、金属の表面仕上げ、印刷色などはスマートフォンの写真だけでは正確に判断しにくい場合があります。店舗什器なら実際の商品を掛けたり載せたりして使用状態を確認できます。
ただし、航空便サンプルを待っている間に船の予約期限が来る可能性があります。そのため量産開始時点で、工場、航空便業者、海上フォワーダーのスケジュールを組みます。「量産完成→抜取サンプル発送→日本到着・確認→本船出荷」という日程を事前に共有してください。
また、すべての商品に向く方法ではありません。大型家具1台を航空便で送れば高額になることがあります。その場合は色板、材料サンプル、部品など確認したい部分だけ送る方法もあります。
国際宅配便を利用する場合でも、内容品、価格、材質、用途などを正確に申告します。サンプルだから輸入手続や規制確認が不要という意味ではありません。商品によっては日本側の輸入規制を確認する必要があります。
さらに量産サンプルだけ良品を選んで送られる可能性を考え、重要案件では第三者検品と組み合わせます。検品担当者が量産ロットからランダムに選んだ商品を封印・発送する方法なら、確認の信頼性を高められます。
納期が非常に厳しい場合には、必要数量の一部だけ航空便で先行輸入し、残りを海上輸送する方法もあります。例えば店舗オープンに最低20台必要なら20台を航空便、残りを船便とする考え方です。航空運賃は高くなりますが、開業延期の損失と比較して判断します。
航空輸送は単なる「急ぎ便」ではありません。品質確認、先行納品、部品補充など海上輸送を補完する手段として使うと、中国調達全体のリスク管理に役立ちます。