中国から日本へ輸入するときの通関―出荷前に揃えておきたい書類と情報

輸入通関で最も避けたいのは、貨物が日本へ到着してから必要書類を集め始めることです。税関が確認したいのは「何を、誰が、どこから、いくらで、どれだけ輸入するのか」という情報です。商品内容によっては、関税法以外の法令に基づく許可・届出等も必要になります。そのため通関準備は中国工場の出荷前から始めます。

東京税関が案内する輸入申告時の資料には、仕入書(インボイス)、梱包明細書(パッキングリスト)、必要に応じた保険料・運賃資料、原産地証明関係書類、他法令関係書類などがあります。海上貨物ではB/Lの写し、航空貨物ではAWB等も関連します。また商品の内容を確認するため、カタログや商品説明書などが必要になる場合があります。

実務ではインボイスの品名を確認してください。「PARTS」「SAMPLE」「FURNITURE」のような非常に大まかな表現だけでは、材質や用途が分からない場合があります。例えば店舗用ラックなら、主材が鉄なのか木材なのか、完成家具なのか部品なのかによって品目分類の検討材料が変わります。通関業者から質問されたときに、写真、図面、材質表、用途説明をすぐ提出できるよう準備します。

価格についても工場のインボイスをそのまま提出すれば必ず終わるとは限りません。日本の関税評価では、原則として輸入取引で現実に支払われた、または支払われるべき価格を基礎とし、日本の輸入港までの運賃、保険料など一定の費用を加えて課税価格を計算します。金型費、無償提供材料、ロイヤルティーなど特殊な取引条件がある場合は、課税価格への影響について通関業者や税関へ事前確認することが重要です。

さらに、輸入品が食品、植物、医薬品・医療機器関連、電気用品など特定の規制対象となる場合は、それぞれの主管官庁の手続が必要になる可能性があります。税関も、他法令による許可・承認等が必要な貨物については、輸入申告時等にその取得を証明し確認を受ける必要があると案内しています。

2026年には、税関がマニフェスト申告・予備審査制の運用見直しを実施しており、越境EC貨物等での不適切な品名・価格申告や他法令規制逃れへの対応も強化されています。一般の商業輸入でも「通関業者に任せればよい」ではなく、輸入者自身が正しい商品情報を提供する姿勢が重要です。

初めて扱う商品では、発注前に商品写真、仕様、材質、予定価格を通関業者へ送り、必要書類と規制の有無を確認しておくと安全です。通関は貨物到着後の事務作業ではなく、仕入れ判断の段階から始まっていると考えてください。