貨物が日本に着いてから書類を集めない|輸入通関は船積前に8割準備する

中国から商品を輸入するとき、通関は「日本へ到着してから通関業者が行う仕事」と考えられがちです。しかし実務では、必要な情報の大部分を船積前に準備しておくことで、到着後の確認作業を大きく減らすことができます。

税関の案内では、輸入申告の際に輸入申告書のほか、仕入書、包装明細書、船荷証券または海上運送状、航空貨物の場合は航空貨物運送状、運賃明細書、保険料明細書などが必要とされています。さらに貨物によって他法令の許可・承認証、特恵関税関係書類、減免税関係書類などが必要になる場合があります。

実務では、商品を発注する段階で通関業者へ商品写真、カタログ、材質、用途、型番などを送ります。特に初めて輸入する商品は、商品名だけでは関税分類や他法令を判断できない場合があります。

量産が進んだら、中国工場からCommercial InvoiceとPacking Listのドラフトを取得します。Invoiceでは売主、買主、商品名、数量、単価、総額、通貨、貿易条件などを確認します。Packing Listでは箱数、正味重量、総重量、梱包情報を確認します。

ここで重要なのは、書類同士の数字を一致させることです。Invoiceでは500個、Packing Listでは498個、実際の出荷は495個という状態では確認が必要になります。量産中に不良品を除外して数量が変わった場合は、最終出荷数量へ書類を修正します。

B/LやSea Waybillのドラフトも発行前に確認します。荷送人、荷受人、通知先、港名、貨物情報などに誤りがないかをチェックします。発行後の訂正には時間や費用が発生する場合があります。

特恵関税の利用を検討する場合はさらに早い段階から準備します。HSコード、適用税率、原産地規則を確認し、必要な原産地証明手続が可能か中国側へ確認します。

輸入規制が関係する商品なら、必要な許可、届出、検査等を担当する機関へ事前相談します。大量生産して船へ積んだ後に必要手続が判明するのは避けるべきです。

通関業者へ書類を送る時期も「本船が日本へ着いたら」ではなく、可能な限り出港前にします。ドラフト段階で問題を発見できれば中国側で修正しやすくなります。

輸入通関を速くする特別な裏技があるわけではありません。商品情報を早く整理し、書類の不一致をなくし、必要な法令確認を発注前から行うことが最も基本的で効果的な方法です。