輸入消費税と課税価格の基本―中国仕入れの原価計算で忘れてはいけない税金

中国から商品を輸入するとき、工場への支払額だけを仕入原価として資金計画を立てると、日本到着時に想定外の支払いが発生することがあります。代表的なのが関税と輸入時に課される消費税・地方消費税です。実際の税額は品目、課税価格、適用税率などによって決まるため、輸入前に概算を確認しておく必要があります。

日本税関は、輸入貨物の課税価格について、原則として輸入取引に関して買手が売手に現実に支払った、または支払うべき価格を基礎とし、含まれていない範囲で日本の輸入港までの運賃、保険料その他一定の費用を加える仕組みを示しています。つまり「中国工場のFOB価格だけに税率を掛ければよい」と単純に決められないケースがあります。

また、商品によって関税率は異なります。関税が無税の商品でも輸入時の消費税等が課される場合があります。税関の案内では、標準税率が適用される場合の消費税・地方消費税は合計10%、軽減税率対象では合計8%とされています。ただし具体的な計算では関税額なども関係するため、商業輸入では通関業者の税額計算を確認してください。

実務上重要なのは「税金は利益に対してだけ発生する」と誤解しないことです。輸入時の関税や消費税は、会社の最終利益を計算してから課される法人税等とは仕組みが異なります。商品が港へ到着して輸入許可を受ける段階で納付が必要になるため、資金繰りにも影響します。

例えば大型家具や店舗什器をコンテナ単位で輸入すると、商品代金が大きくなるため、輸入時の税金もまとまった金額になります。顧客からの入金が納品後である一方、工場への残金、国際物流費、関税・輸入消費税等を先に支払う案件では、利益が出ていても一時的に資金が不足する可能性があります。

さらに、金型代、設計費、無償提供材料、ライセンス料などがあるOEM取引では、それらが関税評価上どのように扱われるか個別確認が必要になることがあります。税関には関税評価に関する事前教示制度もあり、文書回答は一定条件の下で最長3年間、輸入申告等の審査で尊重されます。

輸入消費税の会計・税務上の処理や仕入税額控除については、輸入者の課税事業者としての状況等によって確認事項があるため、税理士等へ相談してください。貿易実務側ではまず、発注前に「商品価格・国際物流・関税・輸入時税金・国内物流」を一つの資金計画表へ入れることが重要です。