輸入価格が安すぎても高すぎても確認が必要―関税評価と課税価格の基本
中国から商品を輸入するとき、「インボイス価格が100万円なら100万円に対して関税や輸入消費税を計算する」と単純に考えてしまうことがあります。しかし輸入貨物の課税価格には関税評価のルールがあり、契約内容によってはインボイスに記載された商品代金以外の費用も確認する必要があります。
税関の関税評価制度では、原則として輸入貨物について買手が売手に対して現実に支払った、または支払うべき価格を基礎とし、一定の加算要素を加えて課税価格を決定します。代表的なものとして、日本の輸入港までの運賃や保険料などが関係します。
例えば中国工場からFOB条件で100万円の商品を購入し、日本までの国際運賃等を輸入者が別途支払う場合、「工場への支払額だけを課税価格として考えればよい」とは限りません。具体的な計算は取引条件と費用内容を通関業者へ伝えて確認します。
OEMではさらに注意が必要です。金型を別契約で支払っている、買主が材料や部品を無償提供している、設計やライセンスに関係する支払がある、といった取引では関税評価上の検討が必要になる場合があります。商品代金を分割請求しているから課税対象にならない、という考え方は避けてください。
反対に、インボイスに商品代以外の費用が含まれている場合も内容を分けて確認します。どの費用が課税価格に含まれるかは、名称だけではなく実際の取引内容によって判断されます。
輸入時の消費税等についても、標準税率対象貨物では消費税と地方消費税を合わせた税負担が関係します。関税が課される商品では関税額も計算に関係するため、単純に工場価格へ10%を掛けるだけでは正確な輸入時税額にならない場合があります。
実務で重要なのは、通関業者へ「インボイスだけ」を渡さないことです。特殊な取引がある場合は、売買契約、金型代、無償提供品、ロイヤルティー、運賃・保険料などの情報も共有します。課税価格について判断が難しい場合には税関へ相談する制度もあります。
また税金は利益計算だけでなく資金繰りにも影響します。大型コンテナ案件では工場残金、海上運賃、関税、輸入時の税金、国内物流費が近い時期に発生することがあります。お客様からの売上入金がその後であれば、一時的な資金負担を考えなければなりません。
中国調達の見積を作る際は、工場価格と輸入原価を分けて考えます。商品代、中国国内物流、国際物流、関税、輸入時税金、日本国内物流を一覧にし、さらに特殊な支払がある場合は関税評価上の扱いを確認します。税務・会計上の最終的な処理については、必要に応じて税理士等の専門家へ確認してください。