輸入時の税金を資金繰りに入れる|工場残金と通関時支払いが重なるケース
中国から大量の商品を輸入する案件では、利益が出る計画でも資金繰りが苦しくなることがあります。理由の一つは、工場への残金、国際物流費、関税・輸入消費税等、日本国内物流費が短い期間に集中するためです。
例えばOEM商品で契約時に30%を支払い、完成・検品後に70%の残金を支払う条件を考えます。残金を支払って商品を出荷した後、日本へ到着すると輸入通関に伴う税金や物流費の支払いが必要になります。販売代金を回収する前に多額の資金が出ていく構造になる可能性があります。
そのため輸入原価表とは別に「支払予定表」を作ることをおすすめします。着手金、サンプル費、金型費、残金、海上運賃、輸入時税金、国内配送などについて、いつ支払う可能性があるかを並べます。
関税計算では、商品価格だけではなく税関上の課税価格を確認します。税関の関税評価では、原則として現実支払価格を基礎として、輸入港までの運賃・保険料その他法令上の加算要素を考慮します。OEMで無償提供材料やロイヤルティ等がある場合には、その扱いも取引内容に応じて確認が必要です。
輸入消費税等についても、単純に中国工場のInvoice金額へ日本の消費税率を掛ければ終わりという考え方ではありません。輸入申告における課税標準や関税等との関係を踏まえて計算されますので、具体的な案件では通関業者や税理士等へ確認します。
また外国通貨で購入する場合、社内で想定した為替レートと実際の送金レート、輸入申告上の換算に使用されるレートが同一とは限りません。原価管理ではそれぞれを混同しないようにします。
継続的に輸入量が大きくなる企業では、税関の納期限延長制度など利用可能な制度について専門家へ確認する選択肢もあります。ただし利用には所定の要件がありますので、自社の状況に合わせて確認が必要です。
会計上の仕入計上や輸入消費税の仕入税額控除など具体的な税務処理は、事業者の状況によって異なります。輸入許可書などの関連書類を保存し、税理士や経理担当者が取引内容を確認できるようにします。
貿易担当者にとって重要なのは「利益がいくら出るか」だけでなく「いつ、いくら現金が必要になるか」を把握することです。特に大型コンテナ案件では、工場へ発注する前に日本到着時までの支払スケジュールを作ることで、資金不足による通関・納品の遅れを防ぎやすくなります。