中国でオーダー家具を作るなら設計段階から「輸送できる寸法」にする
中国でホテル家具、店舗什器、住宅用オーダー家具などを製作する場合、日本側のデザインだけを基準に設計すると物流段階で問題が発生することがあります。中国で製造できても、コンテナへ効率よく積めない、日本の建物へ搬入できないというケースがあるからです。
最初に考えるのは完成品輸送か分解輸送かです。テーブル、ラック、棚などは脚や棚板を分解できる構造にすると梱包容積を小さくできる可能性があります。100台、200台と数量が増えるほど、一台あたりの容積差がコンテナ本数へ影響します。
ただし何でも分解式にすればよいわけではありません。日本側で組み立てる作業員が必要になり、施工費が増える場合があります。また現場組立では品質にばらつきが出る可能性があります。中国で完成品にする費用と物流費、日本での組立費を比較します。
設計時には工場へ完成寸法だけでなく梱包後寸法を試算してもらいます。箱の縦、横、高さ、重量、1箱当たり数量を確認し、100台注文した場合の総容積を計算します。
次に日本側の搬入条件を確認します。店舗の搬入口、エレベーター、階段、廊下、扉の幅などです。幅1200mmの商品が完成しても、搬入口が900mmならそのまま入れられません。大型家具は設計段階で分割方法を検討します。
材料についても用途を工場へ伝えます。屋内店舗、ホテル客室、厨房周辺など使用環境によって求める性能が異なります。「写真と同じもの」ではなく、どこで何年程度使用する商品なのかを伝えることで工場から材料提案を受けやすくなります。
金属什器なら鋼材の厚さ、溶接、塗装、耐荷重、転倒防止などを確認します。木製家具なら板材、表面材、金物、接着、仕上げなどを仕様書へ記載します。必要な法令・規格等が関係する商品については、日本側で事前確認します。
量産前には試作品を実際に組み立て、使用状態を確認します。見た目だけでなく、ぐらつき、棚のたわみ、ネジ位置、組立時間などを確認します。
梱包では角と表面を保護し、箱番号を付けます。ホテルや複数店舗向けなら部屋番号、階数、店舗コードなどを箱表示へ入れておくと、日本での仕分け時間を短縮できます。
中国製オーダー家具のメリットを最大化するには、製造単価だけを安くするのではなく「作りやすい・積みやすい・運びやすい・組み立てやすい」商品を設計することが重要です。設計者、工場、物流会社、日本側施工担当者が早い段階から情報を共有することで、総原価と現場トラブルを減らすことができます。