店舗什器100台を中国で作るとき、最初の1台で確認しておきたいこと
中国工場へ店舗什器を100台発注する案件を例に考えてみます。例えば幅50~55cm、高さ110~120cm、奥行18cm程度のアパレル用ディスプレー什器をオーダー生産する場合、参考画像だけを工場へ送り、価格が合えば100台を一気に作る方法はおすすめできません。最初の1台を試作し、量産前に確認する方が結果的に早く、安くなることがあります。
まず寸法です。全体寸法だけでなく、ハンガーを掛ける部分の高さ、ベース幅、パイプ径、板厚、穴位置などを確認します。実際の商品を掛けたときに使いやすいか、日本の店舗内で通路を圧迫しないかも確認します。
次に安定性です。細く背の高い什器はデザインが良くても、商品を片側だけに掛けたときに不安定になる可能性があります。ベースの重量や形状を工場と相談し、必要な使用条件を伝えます。安全性に関わる部分は単価を下げるためだけに材料を薄くしないことが重要です。
表面処理も試作で確認します。黒い金属什器でも、粉体塗装の艶、表面の質感、溶接跡の処理などで印象が変わります。色見本を承認し、量産時も同じ基準を使用します。
組立式にする場合は、日本側で誰でも組み立てられる構造か確認します。ネジの種類を増やしすぎると現場作業が複雑になります。必要な工具、組立時間、説明書、予備部品も確認します。100台で1台10分の作業差があれば、現場全体では大きな時間差になります。
そして重要なのが梱包です。試作品完成後に量産用梱包を仮定し、1台当たりのカートン寸法と重量を確認します。完成状態で100台送る場合と、分解してフラット梱包する場合で総CBMが大きく変わることがあります。中国工場価格だけでなく、コンテナ積載数と日本側組立費を合わせて比較します。
量産前には最終図面を作成し、寸法、材料、塗装、金具、梱包を記載します。試作で変更した内容もすべて反映します。その後、量産初期の数台を工場から写真や測定値で報告してもらい、問題がなければ残りを進めます。
量産完成後には出荷前検品を行います。数量、外観、主要寸法、安定性、部品、梱包を確認し、不良があれば中国国内で修正してから出荷します。
店舗什器は「中国で安く作ればよい」という商品ではありません。日本の店舗で実際に使いやすく、安全に搬入でき、物流費を含めて採算が合うことが重要です。最初の1台は単なるサンプルではなく、設計、品質、物流、施工を検証するための量産前テストと考えると、100台の発注リスクを大幅に管理しやすくなります。