中国で家具・店舗什器をオーダーするなら物流まで設計する―100台製作の考え方
中国は家具、店舗什器、建築関連製品のオーダー生産で多くの選択肢があります。しかし既製品を購入する一般的な仕入れとは違い、特注品では設計、製造、品質、物流を一体で管理する必要があります。工場単価だけを見て発注すると、日本へ届いた後の組立や搬入で想定外の費用が発生することがあります。
例えばアパレル店舗で使用するディスプレイラックを100台製作するとします。最初に必要なのは完成イメージだけではなく製作用図面です。幅、高さ、奥行き、パイプ径、板厚、棚位置、材質、表面処理、色、接合方法、アジャスターなどを決めます。AIで作ったイメージ画像や参考写真しかない場合には、工場に製作用図面を作成してもらい、それを承認してから試作します。
試作品では寸法だけでなく実際の使用状態を確認します。衣類を掛けたときに安定するか、棚板がたわまないか、組立が簡単か、床を傷つけないかなどを見ます。可能であればサンプルを日本へ送り、実店舗と同じ条件でテストします。
次に梱包方法を決めます。100台を完成状態で梱包すれば日本での組立は簡単ですが、輸送容積が大きくなります。分解式にすればコンテナ積載効率は改善しますが、日本側の組立人件費が増えます。「中国で完成させて輸送する総額」と「分解して輸送し日本で組み立てる総額」を比較する必要があります。
工場には量産前に、1台当たりの梱包寸法、重量、箱数を計算してもらいます。100台の場合の総容積を出し、フォワーダーへLCLとFCLを比較してもらいます。商品設計の段階で梱包サイズを調整すると、コンテナへの積載数量を改善できる場合があります。
日本側の搬入条件も中国での設計に関係します。店舗の搬入口、エレベーター、階段、道路幅、車両制限を確認します。梱包が大きすぎてエレベーターへ入らなければ、現場で開梱して運ぶ作業が増えます。複数店舗へ納品する場合には、中国工場で店舗別ラベルを貼る方法も有効です。
建築資材については用途により日本国内の法令、性能、規格、表示等の確認が必要になる可能性があります。「中国で使用できる製品だから日本の建築現場でもそのまま使用できる」と判断せず、設計者、施工会社、通関業者、必要に応じ関係機関へ事前確認します。
中国製造のメリットを活かすには、安く作るだけではなく、日本で使える状態まで設計することが重要です。図面、試作、量産、検品、梱包、コンテナ、日本国内配送、現場搬入を一つのプロジェクトとして管理することで、オーダー生産を実際のコストメリットにつなげられます。