中国工場を新規開拓するとき、価格より先に確認すべき10の実務ポイント

中国から商品を仕入れる際、最初にやるべきことは「一番安い工場を探すこと」ではありません。実務では、会社の実在性、生産能力、品質管理、輸出経験、納期管理、コミュニケーション能力まで含めて取引先を判断する必要があります。

まず確認したいのが、見積書に記載された会社と実際に製造する工場が同じかどうかです。中国ではメーカーだと思って商談していた会社が貿易会社だった、あるいは受注後に別工場へ外注していたということもあります。外注自体が悪いわけではありませんが、誰が品質と納期に責任を持つのかを明確にしておくことが重要です。会社名、所在地、統一社会信用コード、銀行口座名義、工場所在地などを確認し、可能であれば写真、動画、オンライン工場見学などでも設備を確認します。

次に重要なのが「何を作れるか」ではなく「同じ品質で継続して作れるか」です。過去の類似製品、主要設備、月間生産能力、主要材料の調達先、検品方法、輸出実績を質問します。家具や店舗什器なら、木工、金属加工、塗装、溶接、梱包のどこまでを自社で行うのか確認すると工場の実力が見えやすくなります。

初回から大量発注することは避け、可能ならサンプルや試作を行います。ただし、サンプルが良かったから量産品も同じ品質になるとは限りません。量産時に材料を変更されたり、塗装工程を短縮されたりすることを防ぐため、材質、寸法、色、仕上げ、許容差、梱包方法を仕様書として残します。承認サンプルを量産基準として双方で保管する方法も有効です。

見積時にはMOQ、単価だけでなく、金型費、試作費、梱包費、中国国内運賃、輸出費用、支払条件、Incoterms、量産日数も確認します。「FOB上海」と「EXW工場」では日本までの総費用が違うため、単価だけの比較には意味がありません。

また、新規工場との初回取引では全額前払いを当然の条件にしないことも大切です。着手金と出荷前残金など、製品と取引規模に応じて条件を協議します。送金先が契約相手と異なる場合は理由を確認し、担当者個人の口座への送金は慎重に判断します。

私たちが中国工場を探す際に重視するのは「安い工場」ではなく、「仕様を理解し、問題が起きたときに話し合える工場」です。最初の問い合わせから回答速度、質問への具体性、資料管理の丁寧さを見ておくと、量産開始後の対応力もある程度判断できます。候補を複数社比較し、サンプル、条件確認、必要に応じた工場確認を経てから量産へ進むことが、中国調達の基本です。