HSコードを発注前に確認する理由|関税と輸入規制の入口

中国から商品を輸入するとき、原価計算の前に確認したいのがHSコードです。HSコードは商品の分類番号で、世界共通部分は6桁ですが、日本では輸入申告にさらに細分された統計品目番号が使用されます。

同じように見える商品でも、材質、構造、用途などによって分類が異なる場合があります。例えば家具でも木製か金属製か、どの用途の家具なのかによって確認すべき分類が変わります。そのため中国工場が使っているHSコードをそのまま日本の輸入申告へ使用できるとは限りません。

実務では、見積段階で工場から商品写真、カタログ、材質、用途、構造、成分などを取得し、日本側の通関業者へHSコード候補を確認します。その番号を基に税関の実行関税率表で税率を確認します。

中国からの輸入ではRCEP税率を利用できる品目があります。ただし税関の案内では、まず該当するHS番号・統計細分にRCEP特恵税率が設定されていることを確認し、さらにRCEP協定上の原産品要件などを満たす必要があるとされています。また一部品目では中国に適用される税率が他のRCEP締約国と異なる場合があります。

HSコードが変われば関税率だけでなく、原産地規則や確認すべき制度が変わる可能性があります。大量発注後に想定より高い関税率だと分かれば採算に影響しますので、重要商品ほど発注前確認が必要です。

分類判断が難しい商品については税関の事前教示制度を利用できます。税関によれば、輸入前に関税分類、原産地、関税評価などについて照会することができ、文書による関税分類の回答は原則として回答書発出後3年間、輸入通関審査で尊重されます。関税分類についての文書回答は原則30日以内と案内されていますので、初回輸入の直前ではなく商品企画段階から準備する方が安全です。

特に新素材を使った製品、複合材料の商品、機能が複数ある機械、セット商品などは、商品名だけから税番を決めないことが重要です。

中国輸入では「工場価格×為替」だけでは正しい原価になりません。HSコード、適用税率、特恵税率の利用可否まで確認した上で、日本到着後の原価を計算することが実務上の基本です。