RCEP税率を使えるかは中国製というだけでは決まらない|原産地規則の確認手順

中国から商品を輸入するとき、関税原価を計算する中でRCEPの税率を利用できるか確認することがあります。ここで注意したいのは、「中国の工場から発送する商品だから自動的に中国原産品になる」という考え方ではないということです。

EPA等の特恵税率を適用するためには、対象となる協定の原産地規則を満たす必要があります。商品が完全に一国で得られたものだけでなく、複数国の材料を使用して製造される商品も多いため、品目ごとに定められた原産地基準を確認します。

最初の出発点はHSコードです。どの品目分類になるかによって確認すべき品目別原産地規則が変わるため、日本側のHS分類を整理します。中国工場が提示したHSコードだけで判断せず、日本輸入時の分類を通関業者などへ確認します。

次に、工場へ主要材料の原産地や製造工程について確認します。例えば中国で組み立てていても、主要部材を第三国から輸入している商品があります。それでも原産地規則を満たす場合はありますが、単に最終組立国だけを見て判断するものではありません。

さらに、特恵税率を利用するための原産地証明・申告等の手続を確認します。具体的にどの書類・方式が利用できるかは協定と取引条件によって確認が必要です。工場が「RCEP対応できます」と回答した場合も、どのような原産地資料を用意できるのか具体的に確認してください。

重要なのは発注後ではなく、価格を決める段階で確認することです。通常税率を前提に原価計算する場合と、適用可能な協定税率を前提にする場合では輸入原価が変わる商品があります。ただし、要件を確認せず最初から低い税率だけを原価計算へ入れるのは避けます。

税関の実行関税率表では品目ごとに基本税率、WTO協定税率、EPA等の税率を確認できます。2026年4月1日版の実行関税率表も公開されています。実際にどの税率が適用されるかは品目、原産地、協定上の条件等を確認します。

継続輸入する商品では、HSコード、原産地規則、使用した原産地関係書類を商品マスターに記録しておくと次回以降の確認が容易です。ただし材料や製造工程が変わった場合は再確認します。

RCEPは関税を下げるための単なる書類ではありません。商品分類、製造工程、材料原産地、証明手続をつなげて確認する制度です。中国工場へ見積を依頼する段階から「原産地資料を提供できるか」まで確認しておくことが実務上重要です。