HSコードは商品名だけで決めない―2026年版関税率表と事前教示の活用

中国から商品を輸入する際、「この商品の関税は何%ですか」という質問を受けることがあります。しかし商品名だけでは正確な税率を判断できない場合があります。輸入貨物は関税分類に従って分類され、材質、用途、構造、機能などによって税番が変わる可能性があるためです。

例えば「店舗用ラック」という販売上の名称だけでは十分ではありません。主材料が金属なのか木材なのか、どのような構造なのか、どの用途の商品なのかなどを確認します。複数素材の商品では、商品の本質的な性格や構成も分類判断に関係する場合があります。そのため商品写真、カタログ、図面、材料表を通関業者へ提供します。

2026年9月18日時点で税関は2026年版の実行関税率表を公開しています。そこには基本税率、WTO協定税率、EPAに基づく税率などが掲載されています。中国原産品についてRCEP税率が設定されている品目もありますが、中国から発送されたというだけで自動的にRCEP税率が適用されるわけではありません。原産地規則など所定の条件を満たす必要があります。

仕入原価を計算するときには、工場の見積取得と同時にHSコード候補を確認することをおすすめします。関税が想定より高ければ販売価格や利益率に影響します。またHS分類によっては関税だけでなく他法令確認にも関係するため、商品完成後に調べるより発注前に確認する方が安全です。

過去に似た商品を同じ税番で輸入したという理由だけで、新商品も同じと決めつけることには注意が必要です。仕様や材質が変われば分類が異なる可能性があります。判断が難しい場合には、税関の事前教示制度を利用する方法があります。事前に商品の具体的資料を提示して関税分類等について照会できる制度で、継続輸入する商品や高額案件では特に検討する価値があります。

中国工場へは、日本の税番を一方的に指定するのではなく、中国側輸出申告については現地通関担当者に確認してもらいます。HSは国際的に共通する部分がありますが、各国の細分化された番号や運用が同一とは限らないためです。

実務では、商品企画、HSコード確認、関税試算、物流見積を並行して進めると、より正確な日本到着原価を出せます。「商品を買ってから税率を調べる」のではなく、「税率まで確認してから商品を買う」という順序にすることが、中国輸入の原価管理では重要です。