中国工場のHSコードをそのまま使わない|日本側で税番を確認する理由
中国工場へ商品情報を聞くと、「HS CODEはこれです」と番号を教えてくれることがあります。参考情報としては有用ですが、中国側で使用している番号をそのまま日本の輸入申告へ使えるとは限りません。
HS制度では国際的に共通する部分がありますが、その先の国内細分は国ごとに異なります。また、そもそも工場側の分類が日本側の判断と一致するとは限りません。商品名だけではなく材質、構造、機能、用途などを確認して日本側で分類を検討することが重要です。
例えば「テーブル」という名称だけでは十分でない場合があります。木製なのか金属製なのか、どのような用途の商品なのかなど、商品の客観的な性質を確認します。複合素材の商品や機械、セット商品などはさらに慎重な確認が必要です。
実務では発注前に商品写真、図面、カタログ、材質、用途、成分などを工場から取得し、通関業者へ共有します。そのうえで日本の実行関税率表を確認し、適用される関税率を原価計算へ反映します。
関税率が変われば仕入採算も変わります。商品代500万円の大型案件であれば、数%の税率差でも無視できない金額になります。商品を購入して日本へ到着してから税率を知るのではなく、販売価格を決める前に確認することが重要です。
また中国原産品ではRCEP税率を利用できる品目がありますが、RCEP税率はRCEP締約国の原産品に適用されるものであり、単に中国から発送された商品というだけでは判断できません。対象税番に特恵税率があるか、原産地規則を満たすか、必要な証明手続を行えるかを確認します。
分類が難しく、取引金額が大きい場合には税関の事前教示制度を検討できます。税関へ商品情報を提示し、輸入前に関税分類等について照会できる制度です。継続輸入する商品では、初回の段階で分類を整理しておく価値があります。
HSコードは通関だけの専門用語ではありません。関税率、特恵税率、輸入原価、場合によっては関係する手続を確認する入口になります。そのため営業担当者も、工場から見積を取得した時点でHSコード確認を工程に入れておくことが重要です。