中国工場との交渉・契約で曖昧にしてはいけない7つの条件

中国工場との取引では、担当者との関係が良好でも、重要条件は必ず書面に残すことをおすすめします。実務で問題になるのは、相手が悪意を持っている場合だけではありません。「こちらは当然含まれていると思っていた」「工場は別料金だと思っていた」という認識違いが非常に多いためです。

最低限明確にしたいのは、商品仕様、数量、単価、納期、支払条件、梱包条件、貿易条件です。例えば単価が「USD 20」と書かれていても、それがEXWなのかFOBなのかで買主が負担する費用は変わります。FOBであれば港名まで記載し、「FOB Shanghai Incoterms 2020」のように条件を特定した方が安全です。

納期も「30日」とだけ書かず、何を起点に30日なのか確認します。注文日なのか、前金着金日なのか、最終図面承認日なのかで出荷日は変わります。OEMではサンプル修正中に納期計算が始まっていないこともあります。希望する日本到着日がある場合は、工場出荷日だけでなく、中国国内輸送、輸出通関、船積み、海上輸送、日本通関、国内配送まで逆算してください。

支払条件については、前金と残金の比率だけでなく、残金をいつ支払うかが重要です。「出荷前」と「B/L発行後」では買主側の管理方法が違います。初回取引で全額前払いを求められた場合は、その理由や相手企業の信用状況を確認します。逆に、工場側にも材料購入などの資金負担がありますので、買主にだけ有利な条件を一方的に要求しても長期的な関係は作れません。

不良品についても「不良があれば対応する」だけでは不十分です。どの状態を不良とするか、検品方法、数量不足、仕様違い、輸送中の破損をどう区別するか、補修・再製造・次回値引きなどの対応方法を事前に話し合います。特注品では返品して交換することが現実的でないケースも多いためです。

さらに、WeChatなどのチャットで仕様変更を行った場合、その内容を最終仕様書や発注書へ反映します。担当者が変わると過去の会話が工場内部で共有されない可能性があります。最終版の資料に日付やバージョン番号を付けるだけでも混乱を減らせます。

契約書を作ればすべて安全になるわけではありません。実際には契約内容と、工場の製造能力、品質管理、担当者との情報共有を一体で管理する必要があります。中国工場との交渉では「相手を信用するか、しないか」という二択ではなく、双方が後から確認できる記録を作りながら取引を進めることが最も現実的なリスク管理です。