中国工場との契約は「納期30日」だけでは足りない|日付を分解して決める

中国工場から「納期30日」と回答を受けても、それだけでは実務上の納期を確定したことにはなりません。30日をいつから数えるのか、30日後に何が完了するのかによって、日本への到着日は大きく変わります。

まず確認するのは納期の起算日です。前金着金日から30日なのか、図面承認日から30日なのか、サンプル承認後なのかを明確にします。OEMでは前金を支払っても仕様が確定していなければ材料を発注できない場合があります。

次に「完成」の定義を決めます。製品の組立が終了した日なのか、検品可能な日なのか、梱包まで終了して工場から集荷できる日なのかを確認します。大型家具の場合、製品完成後に梱包だけで数日必要になることがあります。

契約書や発注書には、商品名、数量、単価、総額、図面番号、仕様書番号、支払条件、貿易条件とともに、主要な日程を記載します。金額の大きい案件では、材料準備、量産開始、量産完成、検品、梱包、集荷という工程を管理表にします。

支払条件も納期と関連します。例えば前金30%、残金70%という条件でも、残金をいつ支払うかが重要です。量産完成時なのか、検品合格後なのか、船積前なのかを確認します。検品を予定しているなら、その結果を確認できる支払スケジュールにしておく方が品質管理を行いやすくなります。

不良が発見された場合の対応も事前に確認します。再製作、補修、部品交換などに必要な日数を工場から回答してもらい、再検品の必要性も判断します。納期直前に不良が見つかった場合に「そのまま出すか、修正を待つか」をその場で決めるのではなく、品質優先順位を事前に整理しておきます。

また中国工場の完成予定日と本船出港日は同じではありません。予定船にはCYやCFSの締切があります。工場が予定日に完成しても、検品や中国国内輸送が間に合わなければ次の船になる可能性があります。

契約では貿易条件も指定地まで記載します。例えばFOBであれば港名を明確にし、可能であれば適用するIncotermsの版も記載します。

中国工場との契約で重要なのは、問題が起きたときに相手を責めるための文書を作ることではありません。双方が同じ商品、同じ品質、同じ日程を理解するための基準を作ることです。「30日」「月末」「国慶節前」といった曖昧な表現を具体的な工程と日付へ変えることが、納期トラブルを減らす第一歩です。