中国工場へ納期を確認するとき「いつ完成?」だけでは足りない理由

中国工場との取引で非常に多い相談が納期です。しかし「いつ完成しますか」と聞いて「30日です」という回答を受けただけでは、実際の日本納品日は判断できません。

まず確認するのは、30日の起算日です。注文書を送った日なのか、着手金の着金日なのか、図面を承認した日なのか、材料を確定した日なのかで完成日は変わります。OEMでは仕様変更が続くと、工場側では正式な生産開始日がまだ確定していない場合もあります。

発注時には、少なくとも「最終仕様承認日」「材料手配開始日」「生産開始予定日」「生産完了予定日」「検品可能日」「梱包完了日」「集荷可能日」を分けて確認すると状況が見えやすくなります。

特に注意したいのが「完成」と「出荷可能」の違いです。商品が完成しても、検品で不良が見つかれば修正が必要です。さらに梱包、Packing List作成、物流会社への引渡し、輸出通関、船積みがあります。工場完成日の翌日に日本へ向けて出航できるとは限りません。

店舗やホテルなど開業日が決まっている案件では、日本の現場納品日から逆算します。例えば現場納品の前に国内倉庫で仕分けが必要なら、その日数も確保します。日本側の輸入通関、海上輸送、中国側の船積み、出荷前検品、生産期間を逆方向にたどり、「いつまでに工場へ正式発注しなければならないか」を決めます。

契約書やPurchase Orderにも納期を明記します。ただし「9月30日納期」とだけ書くのではなく、工場出荷日なのか、指定港への搬入日なのかを明確にします。FOB条件なら船積みとの関係も物流会社と確認します。

また、納期遅延に対する違約金だけを厳しく設定すれば問題が解決するとは限りません。工場が無理な日程を受け入れ、最後に品質を犠牲にして急いで生産する方が危険な場合があります。発注前に現実的な生産期間を確認する方が重要です。

生産中も「予定どおりですか」だけではなく、材料入荷、加工、塗装、組立など具体的な工程の写真を確認します。遅れを早く発見できれば、航空便による一部先行出荷や納品順序変更などの対策を検討できます。

納期管理は工場を急かす作業ではありません。製造、検品、物流、日本納品を一つの工程表で管理し、遅れが出る可能性を早期に発見することが本来の目的です。