中国工場との発注で「不良品は次回値引き」に頼りすぎない理由
中国工場との継続取引では、不良品が発生した際に「次回の注文から値引きします」という提案を受けることがあります。少額の不良で継続発注が確実な場合には実務的な解決方法ですが、すべての案件をこの方法で処理するのはおすすめできません。
最大の問題は、次回注文がなければ補償を受けられないことです。例えば今回500台を購入し、50台に不良があったとしても、その商品を二度と発注しなければ「次回値引き」は実質的に利用できません。
そのため発注前に、不良品が出た場合の処理方法を商品の性質に合わせて考えておきます。選択肢としては、中国国内で修正してから出荷する、再製造する、交換部品を送る、一定額を返金する、日本国内の補修費を協議する、次回注文から控除するなどがあります。
特に大型家具や店舗什器では、日本から中国へ返品する費用が商品価格を上回ることがあります。このような商品では、返品を前提とした契約より「日本で補修できる不良はどのように処理するか」「交換部品を何日以内に発送するか」を考えた方が現実的です。
一方、問題を出荷前に発見できれば選択肢は大きく増えます。工場内なら塗装のやり直し、部品交換、再製造が比較的行いやすいためです。したがって不良対応の契約と出荷前検品はセットで考えます。
契約やPurchase Orderでは、単に「品質に問題があれば工場が責任を負う」と書くだけではなく、仕様書、承認サンプル、検品基準を関連付けます。何を不良と判断するかの基準がなければ、工場側から「これは許容範囲」と言われる可能性があります。
不良を発見した際は、写真、動画、商品番号、箱番号、数量を記録します。「全部品質が悪い」という伝え方ではなく、100台中何台に、どのような問題があるかを整理します。
また残金支払いのタイミングも重要です。全額支払い後に初めて検品するより、出荷前検品の結果を確認してから残金を支払う工程を契約段階で協議しておく方が実務上管理しやすくなります。
工場との交渉では、罰則を増やすことだけが解決ではありません。不良が発生したときに、誰が、いつ、どの方法で、どの費用を負担して直すのかを事前に決めておくことが重要です。継続取引ほど曖昧な慣習に頼らず、案件ごとに条件を残すことをおすすめします。