中国の輸出入制度・規制は発注前に確認―「工場が輸出できる」と「日本へ輸入できる」は別問題

中国工場から「製造できます」と回答をもらっても、それだけで日本まで問題なく輸入できるとは限りません。国際取引では「製造できるか」「中国から輸出できるか」「運送会社が受託できるか」「日本へ輸入できるか」を分けて確認する必要があります。特に化学品、電池、特定材料、食品関連品、規制対象技術・物資などでは、通常の商品とは異なる確認が必要になる場合があります。

最初に確認するのは、実際の輸出者です。製造工場自身が輸出手配を行うのか、貿易会社を介するのかを確認します。見積書の会社名、代金受取会社、インボイス上の輸出者が異なる場合は、その取引関係を説明してもらいます。中国国内では工場が製造だけを担当し、別の貿易会社が輸出実務を担当する取引もあります。それ自体が問題という意味ではありませんが、誰が何を担当するかを把握する必要があります。

次に商品情報を整理します。中国側HSコード、商品名、材質、用途、成分、ブランド、電池の有無などを工場から取得します。物流会社や中国側通関担当へ「この商品は通常輸出できるか」「追加資料や検査・許可等が必要か」を確認します。特殊貨物ではMSDSなどの商品資料を求められることがあります。

制度は変更される可能性があるため、過去に同じ工場が輸出した実績だけを根拠にしないことも重要です。「去年日本へ送ったから今回も同じ」という説明ではなく、今回の出荷時点での条件を確認します。特に規制対象になり得る原材料や技術を含む製品では、中国側の関係当局、通関担当、物流会社等への最新確認が必要です。

また、中国側で輸出可能でも日本側で別の規制を受けることがあります。例えば商品によって食品衛生、植物防疫、電気用品、薬機関連など日本の他法令確認が必要になる可能性があります。したがって中国側だけ、または日本側だけを確認して終わりにはできません。

実務では、新しい商品を扱う際に「商品資料一式」を作ることをおすすめします。写真、図面、材質・成分、用途、型番、メーカー情報、中国側HSコード、予定数量、価格をまとめ、中国側フォワーダーと日本側通関業者の双方へ確認します。必要な手続が判明してから正式発注すれば、完成後に輸出できないという重大なトラブルを避けやすくなります。

貿易制度は変化します。特に特殊品や規制対象の可能性がある商品は、Web上の古い記事だけで判断せず、出荷時点の中国側公的情報と実際に申告を担当する事業者へ確認することが重要です。