中国から特殊な商品を輸出するときは製造前に輸出可否を確認する

中国工場から『この商品は製造できます』という回答を受けても、それだけで日本へ問題なく輸出できることが確定するわけではありません。国際取引では、製造可能か、中国から輸出可能か、国際運送会社が受託可能か、日本で輸入可能かという四つの確認を分けて考える必要があります。

一般的な家具や日用品などでは通常の輸出手続で進む案件が多い一方、商品によっては中国側の輸出管理、検査、許可等の確認が必要になる場合があります。また電池、液体、粉末、化学品、磁性物などは、法令上の輸出可否とは別に船会社や航空会社の危険物・受託条件が関係することがあります。

新しい商品では、まず正式な商品名、用途、材質、成分、型番、中国側HSコード、メーカー情報を工場から取得します。必要に応じてMSDSなどの安全関連資料や技術資料も取得し、中国側フォワーダーへ提示します。『以前海外へ送ったことがある』という工場の説明だけで判断せず、今回の輸送方法と出荷時点の条件で確認することが大切です。

次に確認するのが実際の輸出者です。製造工場が直接輸出するのか、別の貿易会社が輸出者になるのかを把握します。中国では製造工場と輸出実務を担当する会社が異なる取引もあります。それ自体を問題視する必要はありませんが、見積会社、代金受取会社、輸出書類上の会社が異なる場合には、その関係を確認しておきます。

制度や規制は変更されることがあります。特に輸出管理の対象となり得る原材料や技術を含む商品については、数年前の輸出実績や古いWeb記事だけで判断しないことが重要です。発注時点と実際の出荷時点が数か月離れる大型OEMでは、出荷前にも再確認します。

そして中国側で輸出可能でも、日本側で別の規制が存在する場合があります。したがって中国のフォワーダーだけでなく、日本側通関業者にも同じ商品資料を渡します。双方の確認が終わってから量産を始めるのが理想です。

特殊品で最も避けたいのは、工場へ前金を支払い、量産が完成してから『この条件では輸出できない』『この運送会社では受託できない』と判明することです。商品が完成してしまえば仕様変更にも追加費用がかかります。

新しい商品ほど、見積段階で商品資料を一式作り、中国側の工場・フォワーダーと日本側の通関業者へ同時に確認することをおすすめします。製造、輸出、国際輸送、輸入を一つの流れとして確認することが、中国貿易の実務では重要です。