中国から輸出できる=日本へ輸入できるではない|発注前の二国間チェック

中国工場へ新商品を問い合わせると、「海外へ輸出できます」「日本にも送ったことがあります」と回答されることがあります。しかし、この回答だけで日本で問題なく輸入・販売できると判断することはできません。

貿易では少なくとも三つの段階に分けて確認します。一つ目は中国から輸出できるか、二つ目は選択した国際輸送方法で運べるか、三つ目は日本へ輸入し、必要に応じて販売できるかです。

中国側では、まず商品の中国語・英語名称、材質、成分、用途、型番、メーカー情報を整理し、中国側フォワーダーや通関担当者へ提示します。一般商品であれば通常の輸出手続で対応できる場合がありますが、商品によって追加資料や確認が必要になる可能性があります。

工場営業担当者の経験だけに依存しないことも重要です。「以前日本へ送った」と言われた場合でも、その商品が今回と同じ仕様だったのか、商業輸入だったのか、サンプルだったのかは分かりません。輸出通関を担当する会社へ具体的な商品資料を渡して確認します。

また製造工場と輸出者が同じとは限りません。工場が国内販売だけを行い、別の貿易会社が輸出を担当するケースもあります。契約会社、製造会社、Invoice発行会社、輸出者、代金受取会社の関係を整理します。

国際輸送についても別確認です。電池、液体、粉末、化学品、磁性物などは航空会社や国際宅配会社の輸送条件に関係する場合があります。中国税関上輸出可能でも、希望する輸送サービスでは受託されない可能性があります。

そして日本側ではHSコード、関税率、他法令を確認します。税関の輸入手続案内でも、貨物の種類によって関税関係法令以外の法令による許可・承認等が必要となる場合が示されています。

重要なのは、この確認を商品完成後に行わないことです。特殊な商品を1000個生産した後で輸出や輸入条件が判明すると、仕様変更や再試験が必要になった場合の損失が大きくなります。

実務では見積依頼と同時に「中国輸出確認」「国際輸送確認」「日本輸入確認」という三つの欄を案件管理表へ作ると分かりやすくなります。すべて確認してから正式発注へ進みます。

制度は変更される可能性がありますので、以前輸入した商品でも長期間空いている場合や仕様が変更された場合には再確認します。中国貿易では、製造できることと合法的・実務的に日本まで届けられることを別の問題として考えることが重要です。