日本の輸入規制と必要書類―商品を買う前に「他法令」を確認する

中国工場で販売されている商品だから日本へ輸入できる、という考え方は危険です。日本では関税法による輸入手続に加え、商品の種類によって関係法令による許可、承認、検査、届出などが必要になる場合があります。税関では、こうした関税関係法令以外の輸入規制を一般に「他法令」と呼び、必要な許可・承認等を受けていることが確認できなければ輸入許可されない場合があります。

そのため、新しい商品を仕入れるときは、価格交渉より前に「日本で輸入・販売するために何が必要か」を確認することが重要です。商品写真だけでは判断できないことが多いため、材質、成分、用途、構造、電圧、食品接触の有無、対象年齢など、商品に応じた詳細情報を工場から取得します。

輸入申告では、基本資料としてインボイス、パッキングリスト、運賃・保険関係資料、B/LまたはAWB等が関係します。EPA等の特恵税率を利用する場合は原産地関係書類が必要になる場合があります。さらに他法令対象商品では、主管官庁への手続に基づく書類等を準備します。

例えば食品や食品に直接触れる器具、植物・木材関連、電気用品、化粧品・医療関連品などは、それぞれ商品内容に応じた確認が必要になる可能性があります。同じ「家具」でも電気部品が組み込まれていれば確認事項が増えることがありますし、店舗用厨房設備でも食品に接触する部材があれば別の視点が必要になります。商品名だけで一律に判断しないことが大切です。

実務でよくある失敗は、工場へ前金を支払い量産が完成した後で、日本側の通関業者へ初めて商品情報を送ることです。この段階で追加試験、証明書、表示対応等が必要と分かると、工場へ戻して対応してもらう必要が生じたり、予定納期に間に合わなくなったりします。

初めて扱う商材では、サンプル発注または量産発注の前に、商品仕様書を日本側の通関業者へ送り、HS分類候補と他法令の可能性を確認してください。規制の正式な判断が主管官庁に属する場合は、その官庁へ照会します。

輸入規制への対応は、通関直前に行う仕事ではありません。「この商品を日本で販売したい」と考えた時点から始める仕事です。中国工場、物流会社、通関業者、必要に応じて主管官庁を早い段階でつなぐことが、納期遅延と余計な費用を防ぐ最も確実な方法です。