初めて中国輸入をする会社へ―営業担当が発注前に確認してほしい10項目
初めて中国から商品を仕入れたいという相談を受けたとき、私たちが最初に確認するのは「中国のどの工場から買いますか」ではありません。まず、何を、何個、いつまでに、どこへ、どの程度の予算で届けたいのかを確認します。この基本情報が決まっていないと、工場見積も物流見積も正確に作れないからです。
第一に商品資料を準備してください。既製品なら商品写真、型番、URLなど、OEMなら図面、寸法、材質、参考写真を用意します。図面がなくても、写真に寸法を書き込んだ資料から相談を始めることは可能です。ただし量産前には詳細仕様を確定する必要があります。
第二に数量です。「できるだけ安く」と依頼しても、10個と1,000個では工場選定も製造方法も違います。初回希望数量と、継続した場合の予定数量を分けて伝えると工場と交渉しやすくなります。
第三に納期です。「なるべく早く」ではなく、日本で必要になる日を伝えてください。そこから日本国内配送、輸入通関、国際輸送、中国側出荷、検品、量産、試作を逆算します。OEMでは工場の製造日数だけで納期を考えないことが重要です。
第四に輸入規制とHS分類です。新商品では、発注前に商品情報を通関業者へ提示し、日本で輸入するために必要な手続を確認します。税番が不明確で取引金額が大きい場合には、税関の事前教示制度も利用できます。文書による品目分類の回答は一定条件の下で3年間、輸入申告の審査で尊重されます。
第五に貿易条件です。EXW、FOB、CIFなどによって工場価格に含まれる物流範囲が変わります。「商品代が安い」だけでは比較できません。
第六に梱包です。特に家具や什器は梱包サイズが物流費へ直接影響します。工場へ梱包後サイズと重量を確認します。
第七に品質基準です。サンプル、色見本、寸法公差など、何を合格とするかを決めます。第八に検品方法、第九に支払条件、第十に不良発生時の対応を確認します。
そして最後に、商品代、物流費、関税、輸入時税金、国内配送などを含めた着地原価を計算します。ここまで確認して初めて、その商品を中国から仕入れることに事業上のメリットがあるか判断できます。
中国輸入は、工場へ連絡して商品を送ってもらうだけの仕事ではありません。製造、契約、物流、通関、税金、品質管理が一本につながっています。初めての案件ほど、少量のサンプルやテスト発注から始め、実際の物流と品質を確認してから数量を増やす方法が安全です。分からない部分を曖昧なまま発注するのではなく、発注前に一つずつ確認する。それが私たちが貿易相談で最も重視している考え方です。