中国工場から値上げを言われたときの確認方法|材料費・数量・仕様を分解して交渉する
継続して取引している中国工場から、突然「次回から価格を上げたい」と言われることがあります。このとき、すぐに「前回と同じ価格にしてください」と交渉するより、まず値上げの理由を分解して確認することが重要です。
商品の価格は、原材料、加工、部品、表面処理、梱包、人件費、工場経費など複数の要素で構成されています。金属製什器なら鋼材、木製家具なら板材や木材、樹脂製品なら樹脂原料など、主要材料の価格変動が影響する場合があります。また、注文数量が前回より少なければ、材料購入や段取りの効率が下がり単価が上がることもあります。
まず工場へ「どの部分が何を理由に上がったのか」を聞きます。詳細な原価表を開示してもらえない場合でも、材料、加工、梱包のどこが主因かは確認できます。前回の仕様書と今回の仕様書を比較し、知らない間に材料や梱包条件が変わっていないかも確認してください。
そのうえで交渉方法を考えます。単価だけを下げるのではなく、発注数量を増やした場合の価格、年間予定数量を提示した場合の価格、梱包を簡素化した場合の価格など、条件を変えた複数案を工場へ求めます。
家具や店舗什器では、設計変更によって原価を下げられることもあります。例えば必要以上に厚い材料を適正化する、部品を共通化する、完成品から組立式へ変更するなどです。ただし強度や品質を落としてまで安くするのは本末転倒です。変更した仕様については再度サンプルや強度を確認します。
また、工場価格が変わっていなくても、日本円での仕入原価は為替によって変動します。米ドル建ての見積であれば、前回発注時と今回発注時の円換算価格を比較し、「工場値上げ」と「為替による原価上昇」を分けて考える必要があります。
国際運賃も同様です。商品単価、国際物流、関税、日本国内配送を一つの数字にしてしまうと、どこでコストが増えたのか分かりません。案件ごとに費目を分けた原価表を残しておくことが大切です。
工場との価格交渉は、相手の利益をなくすことが目的ではありません。長期取引では、工場が適正な利益を確保しながら品質と納期を維持できることも重要です。価格が上がった理由を理解し、数量、仕様、梱包、物流まで含めて改善できる部分を一緒に探す方が、継続的なコスト削減につながります。