中国工場の見積書はどこを見る?単価以外に比較したい7つの条件
中国工場から複数の見積書を取ると、最初に目に入るのは商品単価です。しかしA社が100ドル、B社が90ドルだからB社が安いとは限りません。見積条件が異なれば、10ドルの差が物流や品質、初期費用で簡単に逆転するからです。
第一に確認するのは仕様です。同じ商品写真を見せても、工場ごとに材料や構造の解釈が違います。家具なら板材の種類や厚さ、金属什器なら鋼材の厚さ、表面処理、金具などを揃えます。見積書には参照した図面や仕様書番号を記載してもらうと比較しやすくなります。
第二は数量とMOQです。100個での単価と1000個での単価は同じではありません。また色別、サイズ別にMOQが設定される場合があります。合計100個ならよいと思っていたところ、5色なら各色100個必要だったということがないよう確認します。
第三は初期費用です。OEMでは金型、治具、版、サンプル作成などの商品単価以外の費用が発生する場合があります。金型費を支払った場合の所有関係や、再注文時に再度費用が必要かも確認します。
第四は梱包です。輸出用カートン、木枠、パレットなどが単価に含まれるのかを確認します。大型商品の場合、梱包後寸法を取得して物流費を試算します。商品価格が5%安くても梱包容積が大きければ、日本までの総原価では高くなることがあります。
第五は貿易条件です。EXW、FCA、FOB、CIFなど条件が違えば、価格に含まれる物流費の範囲が違います。比較する場合は同じIncoterms条件へ揃えるか、含まれていない費用を別途加算します。
第六は支払条件です。100%前払いと、前金+残金という条件では資金負担とリスクが違います。残金をどの段階で支払うのかも確認します。
第七は納期です。安い工場でも必要日に間に合わなければ案件では使えません。サンプル期間と量産期間を分けて確認します。
実務では、工場価格とは別に、中国国内物流、輸出関連費用、国際運賃、日本側通関関連費、関税、輸入時税金、国内配送まで加えた着地原価表を作ります。店舗什器のような大型商品では、この計算が特に重要です。
価格交渉をするときも、単純な値下げだけではなく、数量をまとめる、色数を減らす、共通部品を使う、梱包を小さくするなど、生産効率を改善する提案を工場と検討します。良い価格交渉とは工場の利益を削ることではなく、双方が無駄なコストを減らすことです。最終的には「工場からいくらで買えるか」ではなく「日本の納品先へいくらで届けられるか」で比較してください。