中国仕入れの値段は「日本到着原価」で比較する

中国仕入れの見積比較で最も注意したいのは、工場の商品単価だけで安い・高いを判断しないことです。同じ商品がA工場では100ドル、B工場では105ドルだったとしても、貿易条件、梱包容積、中国国内物流費、港湾費用などが異なれば、日本へ到着した時点ではB工場の方が安い場合があります。

最初に見積条件をそろえます。EXWなのかFOBなのか、FOBなら上海、寧波、深圳などどの港なのかを確認します。単価だけ記載された見積書では、どこまでの費用が含まれているのか判断できません。

次に梱包後の数字を確認します。家具や店舗什器では商品自体の価格より物流費が大きな判断材料になることがあります。各箱の縦・横・高さ、箱数、総重量、総容積を取得します。組立式へ変更することで容積を減らせる商品なら、製品設計そのものが物流原価へ影響します。

着地原価を試算するときは、商品代、中国国内集荷、輸出関連費用、国際運賃、保険、日本側港湾・取扱費用、通関関連費用、関税、輸入消費税、国内配送などを分けます。税務・会計上の原価処理とは別に、仕入判断では最終納品地点までに必要となる資金を把握することが大切です。

価格交渉では「10%安くしてください」と要求するだけでなく、数量を増やした場合の単価、色数を減らした場合、共通部品を使った場合、梱包を変更した場合などを工場へ聞きます。工場側がコストを下げられる条件を探した方が継続的な交渉になりやすくなります。

ただし過度な値下げには注意が必要です。外観が同じでも板厚、金属の厚さ、塗装工程、金具、梱包材などが変更されれば品質は変わります。価格変更後も承認仕様が維持されているか確認します。

また為替変動もあります。見積時と前金支払時、残金支払時では円換算額が変わる可能性があります。特に数か月かかるOEM案件では、見積時の為替だけで販売価格を決めない方が安全です。

見積比較表には、単価、貿易条件、MOQ、梱包容積、納期、支払条件、検品費、日本までの概算物流費を並べます。中国仕入れの価格交渉とは、単価を下げる作業ではなく、品質を維持しながら日本到着までの総コストを管理する作業だと考えると判断しやすくなります。