サンプルは良かったのに量産品が違う|中国OEMで起きる「サンプル落差」の防ぎ方

中国OEMでよくある失敗の一つが、「サンプルは非常に良かったので500個注文したが、届いた量産品がサンプルと違った」というケースです。これは中国だけに限った問題ではなく、試作と量産で製造条件が変わる商品ではどこでも起こり得ます。

原因の一つは、サンプルを作った材料と量産材料が同じであることを確認していなかったことです。工場が試作時には手元にある高品質材料を使い、量産では通常材料を使用することも考えられます。悪意がなくても、発注者側が材質を指定していなければ「同じ外観なら同じ商品」と理解される可能性があります。

色も問題になりやすい項目です。画面上の写真だけで「黒」「ベージュ」と指定すると、発注者と工場の認識が異なることがあります。色番号、現物見本、承認した色板など、再現できる基準を作ります。

部品も同様です。試作時に使用した金具やキャスターが量産時に入手できず、工場が同等品へ変更する場合があります。重要部品はメーカー、型番、寸法などを仕様書へ記載し、変更する場合は事前承認を条件にします。

最も有効なのが「ゴールデンサンプル」の考え方です。最終承認したサンプルを量産基準として工場に保管し、発注者側にも同じ基準品や詳細写真を残します。そして仕様書にはサンプルだけでなく、材質、寸法、色、仕上げなど文章・数値で再現できる情報を記載します。

量産開始後は完成まで待たず、生産途中の確認を行います。材料が切断された段階、塗装前後、組立時など、重要工程で写真や動画を取得すれば、大きな仕様違いを早期に発見できます。

完成後には出荷前検品を行い、量産品を承認サンプルと並べて比較します。寸法、色、表面、機能、付属品、梱包を確認します。問題があれば中国にある間に修正することが基本です。

さらに、残金を全額支払った後に初めて検品するのではなく、契約段階で検品と支払いの順序を整理しておくと交渉しやすくなります。

「サンプルが良い=量産も自動的に良い」ではありません。サンプルは品質を保証する魔法の見本ではなく、量産品質を定義するための基準です。サンプルから仕様書を作り、その仕様書から量産し、最後にサンプルへ戻って照合する。この循環を作ることがOEM品質管理の基本です。