中国工場へ全額送金した後に不良が判明|支払条件から考える失敗防止策

中国貿易で避けたい失敗の一つが、工場から「商品が完成しました」と連絡を受け、そのまま残金を全額支払い、その後で重大な不良が見つかるケースです。工場が意図的に問題を隠しているとは限りませんが、全額支払後では修正や再製作の交渉が難しくなることがあります。

この問題を防ぐには、発注時に支払条件と品質確認を一つの流れとして設計します。例えば前金を支払って量産を開始し、量産完成後に出荷前検品を行い、検品結果を確認してから残金を支払うという流れです。具体的な割合や条件は工場との交渉によりますが、「いつ残金支払義務が発生するのか」を明確にします。

検品では承認サンプル、図面、仕様書を基準にします。寸法、材質、色、外観、機能、数量、付属品、梱包などを確認します。「品質に問題がないこと」という抽象的な条件では、工場と日本側で判断が分かれる可能性があります。

不良が発見された場合は写真だけでなく、不良数量、商品番号、箱番号、不良内容を記録します。そして工場へ修正方法、修正数量、完了日を回答してもらいます。

例えば100台の店舗什器のうち20台で塗装不良が見つかった場合、「全部直してください」だけではなく、20台を再塗装するのか、部品交換するのか、何日に修正が終わるのかを確認します。必要なら再検品します。

納期が厳しい案件では判断が難しくなります。軽微な外観不良を修正するために予定船を逃すと、日本側の開店日へ影響する可能性があります。そのため発注前に「絶対に許容できない項目」と「現場補修可能な項目」を整理しておくと判断しやすくなります。

日本到着後に不良が見つかった場合は、開梱前から写真を残します。外箱が大きく破損していれば輸送中の事故の可能性もあります。一方、外箱に損傷がなく内部商品の加工だけが間違っていれば製造工程を確認します。

工場との連絡履歴、承認図面、検品報告書、出荷時写真などは保存します。不良対応は感情的な交渉ではなく、どの仕様に対して何が違ったのかを資料で示すことが重要です。

また一回の問題だけで取引継続可否を決めるのではなく、工場が問題発生後にどのように対応したかも評価します。不良を完全になくすことは難しくても、原因を調べ、修正し、再発防止できる工場は長期的な取引先になり得ます。

支払条件は単なる資金条件ではなく品質管理の仕組みでもあります。検品と残金支払の順序を発注前に決めておくことが、トラブル発生時の選択肢を確保する重要なポイントです。