中国輸入で商品は正常なのに損失が出るケース―物流設計の失敗を防ぐ
中国輸入の失敗というと、不良品や詐欺を想像する方が多いかもしれません。しかし実際には、工場が契約通りの商品を作っているのに、輸入者側の物流設計不足によって損失が出ることがあります。特に家具、建築資材、店舗什器のような大型商品では注意が必要です。
代表的なのが梱包容積の見込み違いです。見積段階では商品本体の寸法だけを見て原価を計算し、完成後に梱包すると予想以上のCBMになったというケースです。商品単価が安くても、コンテナに予定数量が入らなければ追加便が必要になる可能性があります。発注前に梱包後寸法を確認し、積載数量を試算することが重要です。
次に多いのが納期計算です。工場から『生産30日』と言われ、それを30日後に日本へ届くという意味で理解してしまうと予定が崩れます。生産後には検品、中国国内輸送、輸出通関、船積み、国際輸送、日本側通関、国内配送があります。連休や船のスケジュール変更も考慮しなければなりません。
第三は日本側の搬入です。大型什器を中国で一体構造にして完成させたものの、日本の店舗入口やエレベーターに入らないという問題です。工場に責任があるとは言えません。指定寸法通りの商品であれば、日本側が搬入条件を設計段階で伝える必要があります。
第四は関税・税金の見込み違いです。工場から提示されたHSコードだけで原価計算し、日本側の分類確認をしていなかったため、想定していた関税率と異なることがあります。新商品は発注前に通関業者へ資料を渡します。
第五は書類です。商品自体は問題なくても、インボイスの商品名が不明確だったり、数量や金額の説明資料が不足したりすれば、通関時に追加確認が必要になる可能性があります。工場出荷前にドラフト書類を確認することが大切です。
第六は『港まで届けば終わり』と考えることです。港から店舗への配送、デバンニング、倉庫保管、時間指定、階上げなどが別料金になり、予算を超える場合があります。
これらのトラブルに共通するのは、工場の製造工程だけを見て、商品が日本で使われるまでの全工程を設計していないことです。
中国輸入では、商品代金だけではなく、製造、梱包、中国国内物流、国際輸送、通関、日本国内物流を一つのプロジェクトとして管理してください。商品が正常に完成したことと、取引が成功したことは同じではありません。予定品質の商品を予定日までに予定原価で納品できて初めて、商売として成功したと言えます。