中国輸入の相談で「商品価格」より先に決めたい日本での到着原価
中国から商品を輸入したいという相談を受けたとき、お客様が最も知りたいのは「中国ではいくらで買えるか」だと思います。しかし、私たちが最初に確認したいのは、それだけではありません。事業として重要なのは、日本で実際に使用・販売できる状態まで持ってきたときに総額いくらになるかです。
例えば中国工場の価格が1台100ドルの商品があったとしても、それが日本で100ドル相当の原価になるわけではありません。中国国内輸送、輸出関連費用、国際運賃、保険、日本側港湾費用、通関、関税、輸入消費税等、日本国内配送などを考える必要があります。
さらに家具や店舗什器では梱包容積が大きなポイントになります。同じ100ドルの商品でも、1台0.1CBMの商品と1台1CBMの商品では輸送原価がまったく違います。そのため商品見積と同時に梱包後寸法、重量、総CBMを取得します。
次にHSコード候補を確認し、日本側での品目分類と関税率を調べます。日本税関では実行関税率表が公開されていますが、商品名だけでは分類できない場合があります。材質、用途、構造などを整理し、必要なら通関業者や税関の事前教示制度を利用します。
輸入規制についても同時に確認します。安く仕入れられる商品を見つけて全額支払った後に、日本で必要な許可や書類が分かったのでは遅いからです。「買えるか」と「日本へ輸入できるか」を同時に判断します。
日本国内物流も忘れてはいけません。東京港までの見積が安くても、そこから北海道や九州の現場へ大型商品を送れば国内運賃が大きくなります。店舗2階への搬入や家具の組立まで必要なら、その費用も原価です。
そこで初回相談では、商品、数量、工場所在地、梱包サイズ、希望納期、日本の納品場所を確認し、工場価格から最終納品までの費用を段階別に整理します。まだ工場が決まっていない場合は、候補工場から必要な情報を取得するところから始めます。
もちろん、海上運賃や為替など将来変動する費用を完全に固定することはできません。そのため見積では、確定している費用と変動する可能性がある費用を分けて考えることが重要です。
中国調達のメリットは、単に「中国だから安い」ということではありません。豊富な製造能力を利用し、仕様、数量、物流を設計することで、日本では作りにくい商品を合理的なコストで調達できることにあります。その判断基準になるのが到着原価です。
工場単価を見て発注する前に、一度、日本の最終納品地点まで費用をつないでみてください。それでも価格、品質、納期にメリットがあるなら、その案件は中国調達を具体的に進める価値があります。