中国工場を新規開拓するときに価格より先に確認したい実務ポイント

中国で新しい工場を探すとき、最初から価格だけを比較することはおすすめできません。同じ商品の写真を3社へ送り、同じ数量で見積を取っても、各工場が想定している材料、板厚、表面処理、部品、梱包方法などが違えば、提示価格は同じ条件の比較ではないからです。

まず確認したいのは、取引相手がどのような会社なのかという基本情報です。正式な中国語会社名、営業許可証に記載された所在地、実際の工場所在地、主要製品、製造設備、従業員体制、主な販売地域、輸出経験などを確認します。メーカーと説明されていても、一部工程を協力工場へ外注していることは珍しくありません。外注自体が悪いのではなく、重要なのは、どこで誰が製造し、誰が品質責任を持つのかを把握することです。

次に、自社が発注したい商品と工場の得意分野が合っているかを確認します。例えば木製家具を製造している工場でも、ホテル家具を得意とする会社と、家庭用量産家具を得意とする会社では設備や生産管理が異なります。金属製店舗什器でも、板金、パイプ加工、溶接、粉体塗装まで自社で行える工場と、一部を外注する工場があります。

問い合わせ時には、寸法、材質、色、数量、使用場所、希望納期、梱包条件などをできるだけ同じ資料にまとめて各候補へ提示します。図面がなければ参考写真に寸法を書き込むだけでも構いません。この段階で、質問に具体的に回答する工場なのか、何でも『できます』と答えるだけなのかを見ることも重要です。

候補が絞れたら、可能であればサンプルや試作品を作ります。外観だけでなく、寸法、材質、重量、接合部分、金具、塗装、梱包まで確認し、その承認品を量産基準にします。初回発注は大量にせず、工場の製造能力だけでなく、納期管理、連絡速度、問題発生時の対応まで評価するテストと考える方法もあります。

さらに、中国工場の単価だけでは最終原価は分かりません。中国国内運賃、輸出関連費用、国際輸送、日本側通関、関税、輸入時の税金、国内配送まで含めた着地原価を確認します。大型家具では、商品単価が安くても梱包容積が大きければ物流費が高くなる場合があります。

良い仕入先とは、単に最安値を出す会社ではありません。希望する品質を理解し、約束した条件を再現し、問題が起きたときに情報を共有できる会社です。長期取引を前提に、価格、品質、納期、技術力、物流、コミュニケーションを総合して選定することが中国調達の基本です。