中国国内物流を甘く見ない―工場から港までの集荷で確認する項目

中国貿易の見積では海上運賃に目が向きやすいのですが、実務では工場から港までの中国国内物流も重要です。中国は国土が広く、同じ「中国工場」でも上海近郊、浙江省、江蘇省、広東省、福建省、内陸部では港までの距離と物流条件が大きく異なります。

特にEXWで購入する場合は、工場から貨物を引き取るところから買主側の物流設計が始まります。物流会社へ見積を依頼する際は、工場の中国語住所、担当者連絡先、貨物完成日、箱数、総重量、総容積、最長辺、フォークリフトの有無などを伝えます。大型什器の場合、一般的なトラックで積載できるのか、積込み設備が必要なのかも確認します。

複数の工場から商品を購入する場合には、一度倉庫へ集約してから輸出する方法があります。例えば店舗案件で、家具を佛山、照明を中山、装飾品を別工場から調達する場合、それぞれを個別に日本へ送るより、中国側倉庫へ集めて一つの貨物として出荷した方が効率的な場合があります。ただし倉庫費、入出庫費、積替え、再梱包などの費用も発生するため、必ず総額で比較します。

工場がFOB価格を提示している場合でも、中国国内物流をすべて心配しなくてよいとは限りません。どの港をFOB地点としているのかを確認します。例えば「FOB China」という曖昧な表現ではなく、Shanghai、Ningbo、Shenzhenなど指定港を明確にします。また工場によっては通常利用している港が決まっており、別港を指定すると追加費用が発生する場合があります。

輸送中の破損対策も必要です。輸出用梱包が完成してからトラック輸送するのか、国内輸送後に輸出倉庫で再梱包するのかで責任範囲が変わります。家具、ガラス、石材、塗装済み金属製品などは、工場出荷時の写真を撮影しておくと破損箇所の確認に役立ちます。

さらに中国の大型連休前には国内物流も混雑します。工場が完成したからといって、希望日に必ずトラックを確保できるとは限りません。春節や国慶節前は、工場完成日だけでなく集荷日、倉庫搬入期限、船の締切まで確認します。

中国国内物流は国際物流の前工程です。この部分が遅れれば予約した船に乗らず、日本側の納期全体がずれます。工場所在地と貨物量が決まった段階で物流会社へ情報を渡し、輸出港までの流れを先に作っておくことが重要です。