中国から海上輸送する前に決めること―LCL・FCLとコンテナ積載の実務
中国から家具、建築資材、店舗什器、機械部品などを大量に輸入する場合、海上輸送が中心になります。海上運賃を問い合わせるとき、「上海から東京まで100台」と伝えるだけでは正確な見積はできません。物流会社が必要とするのは、集荷場所、出港地、仕向地、箱数、梱包寸法、総容積、重量、貿易条件、貨物内容などの具体的な情報です。
小口貨物ではLCL、つまり他社貨物と混載する方法があります。数量が多くなれば、コンテナ一本を利用するFCLを検討します。ただし、何立方メートルになれば必ずFCLが安いという単純な基準ではありません。中国側と日本側の取扱費用、貨物形状、重量、納品方法も含めてフォワーダーへ比較見積を依頼します。
家具や店舗什器では梱包設計が物流費へ大きく影響します。完成品のまま箱へ入れるより、脚や棚を外してノックダウン式にすれば容積を減らせる場合があります。一方、日本で組立作業が必要になるため、物流費の削減額と日本側作業費を比較します。
FCLでは単純にコンテナの内部容積だけで積載数量を計算しないことも重要です。箱の縦横高さ、積み重ね可能数、パレット使用の有無、重量配分によって実際の積載量は変わります。重量物では容積より重量制限が先に問題になる場合があります。工場にはPacking Listのドラフトを早めに作成してもらい、フォワーダーへ確認します。
スケジュールでは船の航海日数だけを見ないようにします。工場完成後には検品、修正、梱包、集荷、輸出通関、CYまたはCFSへの搬入があり、日本到着後にも荷卸し、輸入通関、デバンニング、国内配送があります。店舗開業日や工事工程が決まっている案件では、船の遅延や通関確認も想定して余裕を持たせます。
海上輸送では湿気対策も重要です。木製家具、金属什器などは長期間コンテナ内に置かれるため、結露によるカビや錆が問題になる場合があります。商品の性質に応じて防湿材、防錆対策、適切な梱包を工場と相談します。
最も効率的なのは、商品が完成してから物流を考えるのではなく、商品設計と同時に輸送方法を決めることです。梱包を数センチ変更しただけで積載数量が改善することもあります。中国工場、フォワーダー、日本側納品担当者が早い段階で情報を共有することが、海上輸送のコストとトラブルを減らす基本です。